ウエストパック・メルボルン研究所は20日、オーストラリアの1月の消費者マインドが107ポイントと、前月から4.5%下落したと発表した。昨年12月の調査以降、ニューサウスウェールズ州などでの新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)の発生や、それに伴う突然の州境閉鎖、英国で拡大する変異種の国内流入など、マイナス要因が多く発生したことが影響し、年末までの上昇基調から一転した。ただ、指数は100ポイントを超え「楽観」を維持しており、打撃は比較的小規模にとどまったようだ。
消費者マインド指数は約1,200人を対象に、個人の財政状態や景況感、出費状況などについての質問から割り出した経済指標。100ポイントを超えた場合は「楽観」が「悲観」を上回り、100ポイント未満は「悲観」が「楽観」を上回っていることを示す。調査は1月11日~16日に実施された。
「今後12カ月の経済見通し」は前月比8.3%下落の102.7ポイント、「今後5年間の経済見通し」は4.5%下落の115.6となった。
家計への信頼感では、「前年比の家計」は前月比7%下落の89.3だった一方、「今後12カ月の家計見通し」は0.3%下落の108.6ポイントだった。
今後12カ月間の失業者数の増加見込みを示す失業予測指数は、前月比11.9%上昇の119ポイントと悪化した。「住宅の買い時」は0.2%上昇の124.5ポイント、住宅価格予想指数は1.1%上昇の145.2ポイントだった。
ウエストパック銀のチーフエコノミスト、エヴァンス氏は「消費者マインドの後退は予測の範囲内。前年同月比でみれば、14.6%上昇と伸びている。ビクトリア州を感染第2波が襲った昨年7~8月には、消費者マインドは15%落ち込んでいた」と説明した。
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