久保田利伸の「LA・LA・LA LOVE SONG」、大滝詠一の「幸せな結末」、LUNA SEAの「I for You」。最近通い始めた日本料理店がいつも日本の懐メロを流している。日本料理店だから、J―POPを流すのは普通なのだが、気になるのは曲の年代。どの曲も決まって1990年代の曲なのだ。
前回店を訪れた時は台湾人の店主に理由を聞こうと思ったのだが、一緒にいた台湾人の妻が唐突に「ドラマよ」と言い放った。確かに上記3曲をはじめ流れる曲はたいていドラマの主題歌。店主の風貌も40歳前後で、台湾のテレビ局がこぞって日本ドラマを放送していた90年代に青春を過ごしたのかもしれない。
90年代と言えば、日本は「失われた10年」とも称される経済の低迷期だったが、ソフトパワーは案外好調だった。台湾にあふれる日本料理店も日本の世紀末の文化力がもたらした遺産なのかもしれない。(陳)
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