香港政府の許正宇(クリストファー・ホイ)金融サービス・財務局長は2日、新型コロナウイルス感染症の流行に関連した財政出動問題で、「政府は特定の業界に的を絞った政策に移行しており、市民全体が恩恵を受けるような大規模な支援策の実施はもうない」と述べた。3日付スタンダードが伝えた。
許氏はラジオ番組で、6月に実施した1万HKドル(約13万5,000円)の定額給付金(現金)支給などの市民全体が恩恵を受ける大規模な財政出動をこれ以上実施する可能性は極めて低いと発言。「観光業など、新型コロナの感染拡大で大きな打撃を受けている特定の業界や集団を対象に政策を実行する方が効果がある」との見方を示した。また、本年度の財政赤字は3,000億HKドルを超える見通しで、政府がコロナ関連対策に割り当てた支出は現在、域内総生産(GDP)の11%に相当すると言明した。
香港政府の本会計年度(4月~2021年3月)の財政赤字は、10月までの時点で既に3,125億690万HKドルに達している。
一方、立法会(議会)では、謝偉俊(ポール・ツェ)議員が現金給付の追加実施や給与所得税の免除などを提案。だが、許氏は巨額の財政赤字や不安定な世界経済を理由に、これらを実施する可能性を排除した。
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