優に100人以上は座れる映画館にぽつんと1人。チケット片手にシアター番号は合っているのだろうかと不安にかられていると、上映前の予告が終わる頃になって、ようやく1人のタイ人女性が入ってきた。現在も新型コロナ対策として1席おきに座席禁止を示すバツ印のシールが貼られているが、観客が2人ではその必要すらない。
独占状態で観賞し映画館を後にすると、食事時ではないにもかかわらず商業施設内の飲食店やフードコートは大にぎわい。選んだ映画や上映時間、立地も関係しているのかもしれないが、同じ施設内で大きな温度差を感じた。
タイでは個人消費が回復基調にあるとされるが、食欲など欲求を満たす消費が優先され、娯楽など必ずしも必要ではないことへの支出は後回しにされている印象を受ける。消費者は財布のひもを緩める時と締める時のメリハリをつけているようだ。(香)
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