オーストラリアのモリソン首相は、訪問先の日本で菅義偉首相と大枠合意したオーストラリア国防軍と自衛隊の共同訓練における「円滑化協定(RAA)」について、来年にも菅首相をオーストラリアに招待し、最終署名式を行いたい考えを明らかにした。地元各メディアが18日、伝えた。
両国政府は、議会の承認を経て、来年のRAA正式締結を目指す。6年間の交渉の中で問題視されていた、日本に配置されたオーストラリア兵士が重罪を犯した場合に死刑制度が適用されることについて、どのように合意に至ったかについてモリソン首相は「双方の法が尊重される」と述べるにとどめた。同協定により地域内での災害救助や人道支援も強化する。
両首脳はまた、来年に日豪外務・防衛閣僚協議(2プラス2)も実施する方針。オーストラリア軍艦などを「武器等防護」の対象とするための手続きを進める。
■「RAAは脅威ではない」
モリソン首相は「RAAはアジア太平洋地域に安定性をもたらすもので、脅威と捉えられるべきではない」と述べた。すでに関係が緊迫化している中国に向けられたものとされるが、中国側の反応は冷ややかだ。
中国人民日報系の環球時報は「RAAは明らかに中国を標的とするもので、アジア太平洋地域の対立と分裂を悪化させる」と非難した。
モリソン首相は、安倍晋三前首相とも会談し、安全保障強化での連携などについて話したようだ。
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