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9月輸出、電子好調で4カ月連続増加

シンガポール企業庁が16日に発表した2020年9月の輸出額(NODX、石油と再輸出を除く)は、前年同月比6%増の140億7,380万Sドル(約1兆900億円)だった。電子製品の堅調な伸びを背景に、4カ月連続のプラスとなった。世界的に新型コロナウイルス関連の規制が緩和されつつあるため、エコノミストの間では通年でプラスになるとの見方が強まっている。

項目別では、電子製品が前年同月比21%増の33億8,850万Sドルとなり、1桁台だった前月から伸びが加速した。集積回路(IC)は3割増となり、前月の7%増から上げ幅が大きく拡大。パソコン(PC)部品は23%増で、21%減だった前月からプラスに転換した。

非電子製品は2%増の106億8,530万Sドル。非貨幣用金が53%増、特殊機械が34%増で、伸びに貢献した。

ただ、これまで好調を維持してきた医薬品は27%減となり、6%増だった前月からマイナスに転換した。石油化学は24%減と低迷した。

輸出先別では、欧州連合(EU)向けが61%増と特に好調で、前月の3割増から伸びが拡大した。特殊機械が2.5倍、PC部品が2倍にそれぞれ伸びた。マレーシア向けは29%増となり、5%減だった前月からプラス転換した。ICやダイオード・トランジスタの輸出が好調だった。

シェアトップは2カ月連続で中国。伸び率はほぼ横ばいだった。日本向けは5%増で、引き続き堅調を維持した。

一方、香港は27%減、タイは16%減と、それぞれ前月から減少幅が拡大。インドネシアは17%減と引き続き低迷した。韓国は5%減で、前月の12%増からマイナスに転じた。

9月の輸出額は、前月比(季節調整済み)では11%減。8月は11%増だった。

■コロナ再拡大の懸念も

好調な動きをみせている電子製品について、三井住友銀行のエコノミスト、鈴木浩史氏は「(前年が弱かったことによる)ベース効果を割り引いてみても、堅調だった。世界的に半導体需要が底堅いことが背景にある」と指摘した。

HSBCの東南アジア諸国連合(ASEAN)エコノミスト、ユン・リウ氏も伸びの一部はベース効果によるものと指摘した上で、「中国が9月中旬、米国政府の輸出規制に先立ち半導体の買いだめを急いだ結果、シンガポールで生産されているメモリーチップの需要が高まった可能性がある」と分析している。

UOB銀行のエコノミスト、バルナバス・ガン氏は「世界経済が低迷する中、(資産の)安全な投資先として、非貨幣用金の需要が拡大したとみられる。リスク回避傾向が続く限り、非貨幣用金は今後も好調を維持するだろう」と述べた。

同氏は、大幅に落ち込んだ医薬品に関して「1~8月期に前年同期比26%増と力強く伸びた後、海外での需要が消失してしまったのかもしれない」と指摘。ただ10~11月は、前年が低水準だったことから、前年の反動増でプラスになるとみている。

世界各地で新型コロナウイルス関連の規制が緩和されていることも、シンガポールの輸出の追い風になっているようだ。三井住友銀行の鈴木氏は「欧州や日本については、経済活動の再開で景気回復が続いている。堅調な外需の回復が、シンガポールの輸出増につながっている」と述べた。

一方、みずほ総合研究所のエコノミスト、松浦大将氏は「足元ではフランスなどで新型コロナの感染が再び広がっている。今後のEU向けの輸出の強さは、控えめに見た方がよいかもしれない」と慎重な見方を示している。

■通年はプラス確保か

シンガポール企業庁は8月、今年通年のNODXの見通しを前年比プラス3~同5%と公表。従来の前年比マイナス4~同1%から上方修正していた。

みずほ総合研究所の松浦氏は「世界的な新型コロナ関連の規制緩和に伴い、シンガポールの輸出も回復に向かうだろう。通年はこのままいけばプラスになるとみている」とコメント。三井住友銀行の鈴木氏は0~プラス5%と予想する。UOB銀行のガン氏はプラス4%を上回る可能性もあるとしており、通年はプラスになる公算が大きそうだ。


関連国・地域: シンガポール
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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