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専門家「社会制限の強化は苦渋の選択」

インドネシアの首都ジャカルタ特別州が新型コロナウイルスの感染拡大を受けた「大規模な社会的制限(PSBB)」を再び強化するのは「苦渋の選択」――。同国の社会経済情勢に詳しい現地コンサルタント会社アジアコンサルト・アソシエーツの代表、バクティアル・アラム氏は10日、NNAの電話取材に対し、こう指摘し、6月からPSBBの段階的緩和に踏み切ったのは、経済活動の再開を目指さざるを得ない状況にあったためと述べた。

アジアコンサルト・アソシエーツ代表のバクティアル・アラム氏(本人提供)

アジアコンサルト・アソシエーツ代表のバクティアル・アラム氏(本人提供)

ジャカルタの新規感染者数は制限発動後の4~5月はある程度抑制されていたものの、正常化への移行期間として6月から制限を緩和したことで急増した。医療施設などで検査態勢が整備されて検査数自体が増えたことも一因だが、バクティアル氏は「PSBB緩和後、通勤などで公共交通機関を利用する人が増え、人々が接触する機会が増したことが急増を招いた要因だ」と語った。

仮にあと1カ月、大規模な行動制限措置の緩和開始を遅らせていれば、感染者数の上昇をもう少し抑えられたとの見方もでき、同氏は「ジャカルタは経済活性化を先走りすぎた」と指摘する。ジャカルタ市民自身も、PSBBの緩和以降、「ニューノーマル(新常態)」というよりむしろ、交通渋滞の発生に加え、マスクを着用しない人がみられるように「ノーマルな生活」に戻ってしまったとの見方を示した。

■大きな治安混乱起きない

大規模な行動制限措置が4月に発動された当時、在留邦人の間では経済停滞により治安が悪化するのではと懸念する声が聞かれた。だがバクティアル氏は、今回の移行期間の打ち切りを受けても「これまでと変わらず、大きな治安の混乱は起きないだろう」と話す。

理由として、ジョコ・ウィドド政権がコロナ禍前から低所得層向けに学費や医療費を補助する貧困対策をとってきたほか、コロナ禍でさらに支援策を拡大したことが、経済的な緩衝材になったと指摘する。対新型コロナの経済対策「国家経済復興(PEN)プログラム」のうち約126兆ルピア(約9,000億円)の予算を再配分し、遅れていると批判されていたコロナ対策予算の執行を早めたことも挙げた。具体的には、月収500万ルピア以下の低所得労働者への現金給付や中小零細事業者向けの運転資金給付といった支援がこれに当たると説明した。


関連国・地域: インドネシア
関連業種: 医療・医薬品マクロ・統計・その他経済社会・事件

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