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保守系番組がブーム、ユーチューブで視聴

地上波テレビなどの「オールドメディア」を脅かす存在になりつつある動画投稿サイト「ユーチューブ」で、元記者や元政治家らが政局や時事問題を論じる保守系放送が韓国で人気を集めている。中にはユーザー登録数が100万人を超える番組もあり、文在寅(ムン・ジェイン)政権に批判的な50代以上が多く視聴する。その力が大規模デモにつながり、文大統領が法相任命を強行した曺国(チョ・グク)氏の辞任にも一役買う存在になった。

大手経済紙の韓国経済新聞元主筆の鄭奎載(チョン・ギュジェ)氏が代表の「ペン・アンド・マイク」も人気保守系メディアの1つ。文在寅(ムン・ジェイン)政権に対する舌鋒鋭い批判で、ユーザー登録数は60万人を超えた。鄭氏は「労働組合の影響力が強く、政権べったりの地上波テレビのニュース報道に満足できない視聴者の受け皿になっている」と話す。ペン・アンド・マイクは、既存メディアがこれまであまり取り上げてこなかった保守派のデモも精力的に取材。鄭氏は「曺氏が辞任に至る流れを作った」と自負する。

ところで鄭氏といえば、韓国国会で弾劾訴追されて職務停止となった朴槿恵(パク・クネ)前大統領との単独インタビューで、日本でも知る人ぞ知る存在。朴氏とのやりとりが終始、和やかな雰囲気で進んだためか、鄭氏について「ゆるい人」との印象を抱いた日本の視聴者もいるかもしれない。

しかし実際は、かなり気骨のあるジャーナリストだ。モスクワ特派員としてソ連の経済崩壊を目の当たりにしたこともあり、自由民主主義的価値観と市場経済を何よりも尊重する。鄭氏が韓国経済新聞時代の2012年にペン・アンド・マイクの前身となったネット放送「チョン・ギュジェTV」を立ち上げたのも、「国民が経済を理解する一助になれば」と思ったからだという。

ペン・アンド・マイクのビジョンは何か。鄭氏が考えるのは「脱ネットメディア」だ。最近のユーチューブでは、1人でとんでもない量を食べる大食い動画など刺激的なコンテンツ作りが求められるようになっており、「どこまでも真実を伝えていくという報道姿勢が求められるニュース番組とは相いれなくなる恐れがある」(鄭氏)という。鄭氏は今後、買収や事業提携などを通じて、新聞や地上波テレビなどオールドメディアとの融合の道を模索する考えだ。

文政権との不和から韓国経済新聞を去らざるを得なくなった鄭氏。韓国を代表する保守派論客の闘いはこれからも続く。【坂部哲生】

「既存メディアとの融合も視野に入れる」と話す鄭氏=17日、ソウル(NNA撮影)

「既存メディアとの融合も視野に入れる」と話す鄭氏=17日、ソウル(NNA撮影)


関連国・地域: 韓国
関連業種: 社会・事件

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