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仮想銀、開業時期の後ずらし相次ぐ

インターネットで金融サービスを提供する「仮想銀行(バーチャルバンク)」のうち複数社が、開業時期を当初予定より遅らせる見通しであることが分かった。システムの整備や人員配置の遅れが原因とされるが、中国本土系の仮想銀の中には香港の最近の社会混乱の風向きを見極めているところもある。16日付明報が報じた。

香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)は今年3月末、3行を認可したのを皮切りに、5月上旬までに計8行に仮想銀の免許を交付。いずれも、6~9カ月以内に営業を始める予定だった。

今年3月に第一陣として仮想銀の免許を取得した英金融大手スタンダード・チャータード銀行傘下の「SCデジタル・ソリューションズ」について、スタンチャートの広報担当者は「安全性、信頼性に万全を期しており、どんなに急いでも年末までの開業は難しい」と遅れを認めた。同行は現在、2020年初めの営業開始を目指しているという。

本土の国有商業銀大手、中国銀行の現地法人・中銀香港が設立した「リビ・ブイビー(Livi VB)」の担当者は「年末までの開業を目指している」としながらも、遅れる可能性があると付け加えた。中国ネット専業保険会社・衆安在線財産保険(衆安)が運営する「衆安虚擬金融」は、最速で10月の開業を目指しているとされるが、取材に対して回答はなかった。

関係筋によると、一部の仮想銀は最近、準備に時間がかかるとして、HKMAに開業時期の延期を求める要望書を提出した。関係者は「主に技術的な問題が解決できていない。人員配置にもまだ時間が必要だ」と述べた。年末までに開業するには、既にシステムの実証試験を実施していなければならない時期だが、どの銀行もまだその段階に入っていない。

HKMAの担当者は、免許取得後6~9カ月以内に営業を始めるのは「あくまで各行の事業計画目標で、硬直的な取り決めではない」と説明。「開業準備に時間がかかるなら、柔軟に協議に応じる」と述べた。

■香港混乱で本土系は準備ペース抑制

仮想銀の開業の遅れについては、「逃亡犯条例」を発端とする社会混乱の影響も無視できないようだ。

これまでに免許を取得した8行のうち、6行は本土系の資本で設立された銀行。ある関係者は「一部の本土系仮想銀は、準備ペースをあえて抑制している」と語った。顧客層を若者に絞っているため、今の混乱が収まるのを待って積極的な展開を図る方が得策と考えているという。

本土IT大手、騰訊(テンセント)が主導する「富融銀行」のように「年内に開業できる公算が大きい」(担当者)との声もあるが、全体の中で年内の開業にこぎ着けるのは1~2行にとどまるとの見方が支配的だ。


関連国・地域: 中国香港
関連業種: 金融IT・通信マクロ・統計・その他経済社会・事件

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