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【アジアで会う】奥村梨奈さん 在韓ラトビア大使夫人 第268回 外国の大使夫人としての大舞台(韓国)

おくむら・りな 1979年生まれ 神奈川県川崎市出身。大学でドイツ文学を学び、ドイツに交換留学。同国に関わる仕事に就きたいという思いから在日ドイツ商工会議所に就職。その後、ドイツ外務省の外郭機関であるゲーテ・インスティトゥート東京に転職し、そこで後に夫となる駐日ラトビア大使と出会う。ラトビアに移住後、結婚。16年に駐韓国ラトビア大使に就任したご主人とともに、「大使夫人」として韓国に居を移した。

ソウル市の真ん中に位置する、漢南地区にある閑静な住宅街。インターフォンを押し、出迎えてくれた女性に部屋に案内してもらった。「奥様はまもなく到着されます」。ここは、駐大韓民国ラトビア大使館。しばらく待っていると玄関が開く音がし、背の高い女性が部屋に入ってきた。

「お待たせしました」と笑顔で挨拶してくれた奥村梨奈さんは、ペーテリス・ヴァイヴァルス駐韓ラトビア大使夫人だ。ラトビアはロシアの西方、バルト海に面する人口200万人あまりの国で、リトアニア、エストニアとともにバルト三国の一つ。奥村さんは2016年にご主人と共に渡韓し、韓国生活は今年で4年目となる。

■日本で出会いラトビアへ

「みなさん、私がどうして夫と知り合ったか、そこを知りたがりますね」。奥村さんは、こう切り出した。

大学ではドイツ文学を専攻して、同国への留学の経験もあったが、ラトビアとは全く関係がなかった。大学卒業後、日本にあるドイツ商工会議所で2年ほど働いた後、ドイツ政府の国際文化交流機関「ゲーテ・インスティトゥート」に転職した。外務省の外郭機関だったので、文化担当の外交官などと仕事をすることが多かったという。

「07年に東京でEU関連のパーティーがあり、当時はドイツがEU議長国だったので、ゲーテ・インスティトゥートの職員としてパーティー準備に携わったんです。下っ端でしたが『スタッフだから来ていいよ』と言われて参加し、そこで夫と出会いました」。

パーティーはいろんな人が参加するため、出会った時はご主人がどんな人かはわからなかったが、実は初代の駐日ラトビア大使だった。その後、ラトビア側のイベントに招待してもらいながら親交を深め、自然と交際を始めるようになったという。

13年にご主人が帰国することになり、「日本での仕事を辞めてついていくか」「付き合いを諦めるか」の二択を迫られた。奥村さんは「ラトビアには友人もいないし、家族ともなかなか会えない。日本で築いたキャリアも捨てなきゃいけない。少し悩みましたが、『彼についていく』ことを決めました」と振り返る。

■韓国で大使夫人としてデビュー

ラトビアに移住してから間もなくして、ご主人に韓国行きの話が浮上する。日本で大使館を一から開設した実績もあるため、韓国での立ち上げ計画が現実味を帯びた時から可能性はあったという。16年にまたしても初代大使として韓国へ赴くことになったヴァイヴァルス大使について、奥村さんも「大使夫人」として初の舞台に立つことになった。

韓国では大使夫人の集まりに参加する傍ら、各国のナショナルデーの集まりや各種レセプションへの出席と忙しい日々を送っている。「日本大使館が毎年天皇陛下の祝賀会を開いているように、英国ならクイーンの誕生日など、各大使が開催するパーティー、コンサート、美術展、文化行事などの各種イベントがほぼ毎日のようにある」そうだ。

いろいろな海外の人と会いながら、「とても驚いたことがある」。それは、会う人のほとんどが「日本人だと気づかない」こと。「私の英語は日本語訛りがあると思うのですが、韓国人ぽく見られるようです。日本人だと明かすと結構驚かれるんですよ。でも、韓国人には馴染みやすくていいかもしれませんね」と笑う。

■語学への挑戦は続く

「韓国に来ることはどう思いましたか」と尋ねると、「学生の頃にドイツ語の発表会で現地の大学とも交流しましたし、韓流ドラマが好きで母と一緒に何度も観光に来たことがありました。ですので、不安などは全くありませんでしたね」と奥村さん。ドイツ留学時代のルームメイトの1人が韓国人だったこともあり、「どこかで韓国に興味があった」という。

大学で専攻し、ご主人と出会うきっかけとなったドイツとの関わりも続けている。奥村さんは今、「ドイツ語教員養成講座」に取り組んでいる。韓国にあるゲーテ・インスティトゥートに通いながら、ドイツ語を教えるために必要な言語学や教育心理学などをオンラインで受講しているそうだ。

その一方で、「韓国語もまた学びたい」とも話す。「今はドイツ語の方に力を入れていますが、養成講座を修了後に余裕があれば韓国語試験の6級(最高級)を目指したい」。語学への挑戦は続く。

大使の任期は通常3~4年。「まだ(ご主人の)帰任の話はないですね。ここにいる間は、韓国という国を楽しみたい」と奥村さんは言う。(韓国編集部=清水岳志)


関連国・地域: 韓国
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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