オーストラリアのフライデンバーグ財務相は19日、王立委員会の提言76件を取り込んだ金融産業改革の実施を来年末までに行う計画を明らかにした。企業法やスーパーアニュエーション(退職年金)関連法、保険や金融サービス関連法の改正を含むもので、業界が失った消費者の信頼を取り戻すことを目指す。年内に20件以上の取り組みを実現するとしている。地元各メディアが伝えた。
フライデンバーグ財務相は発表した声明の中で、金融業界の不正を追及した王立委員会が提案した改善案のうち、政府に関連する改善案は54件で、実施には40件の法律改正が必要だと指摘。今後の予定については、2020年半ばまでに50件以上の取り組みを行い、関連法を成立させて提言された内容の約9割を実現したいとした。また、提言のうち12件が規制当局、10件が業界に向けたものだったとしている。
金融業界の規模はオーストラリアの国内総生産(GDP)の約10%を占め、経済に1,630億豪ドル(約11兆7,643億円)の貢献をし44万人を雇用する一大産業となっている。
業界団体オーストラリア銀行協会(ABA)のブライ会長は、政府が具体的な予定を示したことについて、消費者に安心感を与えるものだと評価した。また、消費者団体チョイスも、政府の予定発表を支持し、業界に負けず改革を実施していくよう求めた。一方、最大野党労働党で影の財相を務めるチャーマー氏は、政府の対応が遅いと批判している。
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