パナソニックは3日、傘下ブランドである「SANYO」のエアコンをインドでオンライン販売すると発表した。SANYOは現地で広く認知されているほか、価格帯がパナソニックブランドより低い。近年伸びている家電の電子商取引(EC)市場に適していると判断し、投入を決めた。
パナソニックは2009年に三洋電機を買収した後、SANYOブランドのインド展開としては、テレビのオンライン販売と、政府機関(入札)向けのエアコン販売を手掛けてきた。ここ数年は、中国製の低価格製品を中心に、通販サイトで家電が売れていることから、エアコンのオンライン販売にも乗り出した。展開するモデルは5種類で、アマゾン・インディアなどが取り扱う。価格は2万4,490ルピー(約3万9,000円)から。
インドでのエアコン販売は、主軸のパナソニックブランドが柱になる。業界関係者の試算では、ルームエアコンのシェアは1位が地場財閥タタ・グループのボルタス、2位がダイキン工業、3位以降をパナソニックや韓国LG電子などが争う。パナソニックの担当者によると「SANYOは、オンライン市場におけるボリュームゾーン価格帯のラインアップを補完する位置付け」にあり、パナソニックブランドより販売価格が安いことから、ネット通販に適しているとみている。
パナソニックは三洋電機の買収後、日本および海外でブランドをパナソニックに統一してきた。インドはSANYOブランドが継続する数少ない国の一つ。三洋電機がインドの家電大手BPLとの合弁を通じて、1990年代から現地でSANYOブランドの認知を築いてきたため、現在もテレビとエアコンにラインアップを絞ってブランドを展開している。
他国では、インドネシアでポンプ、北米でテレビやDVDプレーヤーなどがSANYOブランドとして販売されている。
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