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公的債務の上限抑制に懸念、日本商議所

ベトナム日本商工会議所(JCCI)は、4日にハノイで開催されたベトナム政府との政策対話で、公的債務残高の上限を対国内総生産(GDP)比65%とする国家方針について「過度な財政規律はベトナムの中長期的な成長に向けたインフラ投資の妨げになりかねない」として懸念を示した。現在の残高が65%に近付き、既存のインフラ投資に影響が出ていることを踏まえ、行財政改革や既存債務の再編を促した。

JCCIの伊東会頭(左から2人目)はVBF中間会合で日本企業を代表して政策提言を行った。左から3人目はVBF委員長の舩山徹氏(ベトナム三菱商事)=4日、ハノイ

JCCIの伊東会頭(左から2人目)はVBF中間会合で日本企業を代表して政策提言を行った。左から3人目はVBF委員長の舩山徹氏(ベトナム三菱商事)=4日、ハノイ

JCCIの伊東浩治会頭(三菱UFJ銀行)が、ベトナム政府と各国の商工会組織の協議体であるベトナム・ビジネス・フォーラム(VBF)中間会合で問題提起した。伊東会頭は「財政規律の重要性に異論はない」としつつも、歳出入の見直し、低金利・長期の政府開発援助(ODA)の活用による生産性の向上を訴えた。JCCIは昨年の年度末会合でも公的債務問題に言及している。

公的債務の残高上限は2016年に20年までの65%に設定された結果、ベトナム政府はインフラ整備などに対する支出を極端に絞り込むようになった。翌年には円借款で進められているホーチミン市都市鉄道(メトロ、地下鉄)1号線の工事費用で巨額の未払いが発生している。また官民連携(PPP)方式で外資が進める発電所案件などの外貨兌換(だかん)保証にもベトナム政府が二の足を踏むようになったとされる。

65%ラインは共産党最高指導部の政治局でも決議されているため、過去数年はベトナム内部で表立って議論された形跡はなく上限緩和は容易ではない。ただ一部の国会議員は5月の国会で「80%にまで引き上げてもよい」と発言するなど情勢に変化の兆しが出てきた。ベトナム当局も緊縮財政により成長投資が制約を受けている問題を認識しているとみられる。

またJCCIは昨年度に続き、行政手続き改革を提唱。首相府直属で苦情処理に取り組む委員会設置や、法令解釈に係る「オフィシャル・レター」制度を提案した。さらに近年の環境汚染の悪化については「最新の環境技術を持つ外資と意欲ある地場にとっては商機になる」と積極的な対応を求めた。

VBFは1997年設立。共同議長はベトナム商工会議所(VCCI)のほか、理事会に加盟する外国商工会が持ち回りで担当している。会合ではJCCIが日本企業を代表しているが、ホーチミン日本商工会議所(JCCH)もJCCIの取り組みに協力している。


関連国・地域: ベトナム日本
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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