NNA ASIA

【17年の10大ニュース】高成長の見通しに一抹の不安も

2017年の経済成長率は、例年通り尻上がりにペースを上げてきたことで6.8%となり、ベトナム政府が目標に掲げた6.7%を達成した。12月に発表された世界銀行の長期予想でも、毎年6.5%前後の成長ペースを維持するとの見通しが示された。好調な経済が魅力となり、日系の製造業にとって有望な投資先としての地位は一層高まりつつある。
ホーチミン市を中心に、消費市場も活況だった。ファストファッション大手の進出や店舗網拡大が続いたほか、小売市場も新規の参入や店舗の積極的な拡大が目立つ。特にコンビニはセブン―イレブンや韓国のGS25が参入するなど、18年以降の競争は激しさを増しそうだ。
一方、年末にかけて、経済成長に水を差すような動きもあった。政府は18年1月から完成車(CBU)に対する輸入制限を強化。東南アジア諸国連合(ASEAN)域内で乗用車に対する関税が撤廃されるのを見越して生産を調整していたメーカーは打撃を受けた。18年以降、ベトナム政府が選ぶのは、成長に向けたアクセルなのかブレーキなのか。明るい見通しの中にも、一抹の不安が残る。