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【17年の10大ニュース】インフラ整備の黄金時代幕開け

フィリピンの治安改善と行政改革の推進などを掲げ、2016年に誕生したドゥテルテ政権は2年目の今年、22年までに上位中所得国入りを目指す経済政策「ドゥテルテノミクス」を始動。道路や鉄道などの建設に向け支出を大幅に増やし、インフラ整備の「黄金時代」を迎える端緒についた。経済は引き続き内需が堅調で、実質国内総生産(GDP)成長率は1~9月が前年同期比6.7%。通年では、前年の6.9%に届かない見込みだが、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内でベトナムと並び最も高い成長率となりそうだ。
今年のフィリピンは、ASEAN議長国として首脳会議と関連会合の開催、南部ミンダナオ島での「イスラム国」(IS)の影響を受けた過激派組織との戦闘とそれに伴う8年ぶりの戒厳令布告などで、国際社会の注目を浴びた。ASEAN発足50周年の節目に合わせて開催された関連国による首脳会議では、米国が保護主義に傾く中、日中韓やインドなどが参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の妥結を目指したが、交渉参加国の主張の溝が埋まらず、実現しなかった。