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【17年の10大ニュース】改革の痛みか、成長は鈍化

2017年はインド経済にとって「改革の痛みに耐える年」であった。特に自動車産業は改革の逆風にさらされた。16年11月に始まった高額紙幣の刷新による現金不足が消費を冷え込ませた。その消費低迷から十分に回復しない中で、「インド独立後最大の税制改革」と評された全国統一税制の物品・サービス税(GST)を7月に導入。新税制による商品の価格低下を見込んだ買い控えが広がり、販売不振に拍車をかけた。個人消費や製造業の生産が落ち込んだ結果、4~6月期、7~9月期の国内総生産(GDP)の成長率はそれぞれ前年比5.7%、6.3%に鈍化した。
インド政府が、環境対応車として、電気自動車(EV)を優先させる意思を鮮明にしたことも自動車業界にとっては大きな方針転換を余儀なくされた。最大手マルチ・スズキを傘下に持つスズキは11月、トヨタ自動車とインド向けEV開発で協業することを明らかにした。政府が30年までに国内で販売されるすべての新車をEVに切り替える方針を表明する中、EVをめぐる主導権争いが本格化することになった。