インドネシアの国営通信テレコムニカシ・インドネシア(テルコム)が運用中の通信衛星「テルコム1」の通信障害に伴い、超小型衛星通信地球局(VSAT)を設置しているへき地を中心にした一部の現金自動預払機(ATM)で25日から障害が起きている。テルコムは直ちにアンテナの切り替えを行い、来月10日までには障害を解消できるとの見通しを示している。28日付地元各紙が伝えた。
最大手銀行の国営バンク・マンディリは25日、同行のATMのうち11%に当たる2,000台で不具合を確認。27日までに通信回線を無線通信方式のGSM回線に切り替える対策を行っている。
国営銀行バンクネガラインドネシア(BNI)は、全体の9%に当たるATM1,500台に支障が出た。携帯電話のショートメール(SMS)を使ったSMSバンキングや、インターネットバンキングなどデジタルバンキングには影響は出ていないという。
一方、民間銀行最大手、バンク・セントラル・アジア(BCA)は、設置総数の33%に当たる5,700台で不具合が起きた。ATMについては直ちに別の通信衛星「テルコム3S」や「Apスター」への切り替えを行うとしているが、完全な復旧には2~3週間を要するとみている。
■不具合はへき地に限定
金融監督庁(OJK)物流・戦略管理局のアント副局長代理によると、テルコム1の通信障害に伴い不具合が生じているVSATを設置したATMはへき地に限定されており、都市部の顧客サービスには大きな影響は出ていないと説明。その上で、銀行業界に対して、ATMの不具合の早期解消とあらゆるコミュニケーション手段を使って顧客に周知を行うよう要請したと述べた。
テルコムのアレックス社長は、25日午後4時51分(インドネシア西部時間)ごろ、「テルコム1」のアンテナ切り替えの際に全てのトランスポンダ(中継器)に通信障害が発生したと説明。直ちに通信衛星「テルコム2」と「テルコム3S」に切り替えるなどして来月10日までに障害解消を目指すと話している。
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