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【16年の10大ニュース】新政権発足、変化の1年

台湾の今年を一言で表すなら、「変化」の2文字に尽きるだろう。総統選で勝利した民主進歩党(民進党)の蔡英文主席が、5月に初の女性総統に就任。民進党政権下で台湾の新たな歩みがスタートした。ただ政権交代を機に中台関係は冷え込み、公式対話が中断。経済面や法改正も予想外の足踏みが続き、発足当初に期待された成果を上げるにはまだ至っていない。
経済に目を向ければ、域内総生産(GDP)成長率がプラスに転じるなど、一時の低迷からはわずかに持ち直した印象。鴻海精密工業によるシャープ買収や、環球晶円(グローバル・ウェーハズ)による米サンエジソン・セミコンダクター(SEMI)買収など台湾企業を主体とした世界規模の合併・買収(M&A)も目立った。一方、航空台湾3位の復興航空(トランスアジア)が11月に突然の会社解散を発表、各方面に衝撃を与えたことも記憶に新しい。業界地図の変化も多い1年だった。
ドナルド・トランプ次期米大統領の今後の対台湾政策など、先の読めない要素はまだ多い。急速な変化の中で戸惑いを隠さないまま、台湾はもうすぐ新しい年を迎える。