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【16年の10大ニュース】景気が低迷、技術革新を促進

シンガポールの2016年は、経済の減速感が色濃い1年となった。中国の成長鈍化などを背景に外需が低迷。石油・ガス関連産業では原油安が直撃し、破綻に陥る企業も出た。英国の欧州連合(EU)離脱決定や米大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝利といった予想外の出来事も影を落とし、先行き不透明感が増している。
一方、今年は日本とシンガポールが外交関係を樹立してから50年(SJ50)。日本文化芸術祭や「SJ50まつり」など、さまざまな記念行事が催された。
政府は経済のさらなる発展に向け、イノベーション(技術革新)を通じた産業の振興に力を入れている。フィンテック(ITを活用した革新的な金融サービス)ではブロックチェーン(分散型台帳)技術の実用化に向けた動きが活発化。世界に先駆け、自律走行車を使ったタクシーサービスの実証実験も始まった。
市民の生活が脅威にさらされる出来事も起きた。湾岸部マリーナ・ベイ地区を狙ったロケット弾攻撃の計画が発覚したほか、ジカ熱が流行し450人以上の感染者が出た。