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コラム

京劇と崑曲の振興を掲げる協会の「大会」なるものに出席した。高齢者が中心の出席者は湯飲みを片手におしゃべり、壇上の役員もお隣とペチャクチャ。何とも力の抜けた「大会」だが、その後のパフォーマンスで皆の背筋が伸びた。登場したのは長身の青年。立派な体格とは裏腹に、立ち姿は非常にたおやか、歌声は艶やかな高音。彼は今ちょっと注目の若手「男旦(おやま)」だった。
かの梅蘭芳氏の息子、梅葆玖氏の舞台を観たことがあるが、その女性以上に「女」を表現した姿に思わず見とれた記憶がある。どちらかと言うと「男前」な女性が多い北京。食堂では大股開きでご飯をかき込む勇ましい姿もよく見かける。若いおやまの歌声に「好(ハオ)!」を連発する男性陣に思わず共感してしまった。(豆)