「彼らにとって『工場飯』は本当に重要なんだよ」。ビンズオン省にある工場見学に出かけた際に日系メーカー幹部が教えてくれた。景気低迷を受けて稼働率が落ち込…

ベトナム

「彼らにとって『工場飯』は本当に重要なんだよ」。ビンズオン省にある工場見学に出かけた際に日系メーカー幹部が教えてくれた。景気低迷を受けて稼働率が落ち込んだ。残業がなくなり、これまで工場の食堂で済ませていた夕食が提供されなくなり、不満の声が出ていたという。
残業がなければ、ただでさえ金銭的には苦しい。少しでも助けになればと、「残業はないけれど、これまでどおり昼と夜は食事を提供しよう」と方針転換した。私も食堂で工場飯を初体験したが、なかなかおいしい。肉や魚のメイン料理は１皿までというルールもあるそうだが、おなかを空かせた従業員は気にせずに手を伸ばしていく。
気を利かせてくれたのか、食堂スタッフは私にも牛肉炒め２皿をトレーに置いてくれた。離職率が高いと言われる当地では、こんな配慮もつなぎ留めの材料になるようだ。（濱）

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