地場書店最大手の国営ホーチミン市書籍流通会社（ファハサ）は12日、ホーチミン市内の店舗で和書の販売を開始した。ベトナムで公式に日本語の書籍が販売されるの…

ベトナム

地場書店最大手の国営ホーチミン市書籍流通会社（ファハサ）は12日、ホーチミン市内の店舗で和書の販売を開始した。ベトナムで公式に日本語の書籍が販売されるのは初めてで、提携先の紀伊國屋書店が納入した。
和書は１区グエンフエ通りと３区ハイバーチュン通りの２店舗で取り扱われる。親日的な若者や子ども、富裕層を主なターゲットとしており、日本のファッション、アニメ、イラスト、児童書、日本語の教科書などを中心に当初の在庫は5,000冊ほどとなる。ファハサのファム・ミン・トゥアン会長は12日の式典で、「今後はハノイなど北部でも販売していく」と計画を明らかにした。ファハサはベトナム国内に84店舗を展開している。
グエンフエ通りの旗艦店には特設コーナーが設置され、12日朝から和書を求める若者たちが集まった。『ＮＡＲＵＴＯ―ナルト―』や『ＯＮＥ　ＰＩＥＣＥ』といった日本のアニメが好きという女子大生のチューさんは、小説「世界から猫が消えたなら」を手に、「辞書を使って少しずつ読んでいきたい」と声を弾ませた。ベトナム国内には日本語学習者が５万人近くいるとされ、政府も小学校で日本語を第１外国語として教える方針を示すなど和書のニーズは今後高まるとみられる。
ファハサは司馬遼太郎や村上春樹らの小説の文庫本に加えて、ビジネス書なども用意しており、現地在住のビジネスマンの役にも立ちそうだ。和書の価格はいずれも日本国内の定価の約４割増で、タイの紀伊國屋書店の店舗とほぼ同じ設定。
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