シンガポール競争消費者委員会(CCCS)は、韓国造船大手の韓国造船海洋と大宇造船海洋が合併する計画について、競争上の問題があるとして、本格的な調査を開始する。
韓国造船海洋は2019年6月に現代重工業グループの造船海洋事業の統括を目的として新設された企業。同社は大宇造船海洋を買収し、両社の事業を統合する計画だ。
韓国造船海洋と大宇造船海洋がシンガポールで事業を展開しているため、合併にはCCCSの承認が必要となる。CCCSは9月に合併認可の申請を受け、ライバル企業などの意見も聞きながら初期調査を実施していた。
調査の結果、両社がLNG(液化天然ガス)タンカーの2大企業であるほか、大型コンテナ船、大型石油タンカーでも大きなシェアを握っていることから健全な競争が阻害され、他社による新規参入の障害になるといった問題が浮上する恐れがあると判断。初期審査での承認を見送った。
CCCSは本格的な調査を実施した上で、合併の可否を最終判断する。韓国造船海洋は承認を取り付けるため、競争上の是正策の提案を迫られそうだ。
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