2008/09/02(火)

今後の日中関係を不安視せず、中国各紙


中国では新華社が1日夜に福田首相の辞任表明を速報、2日付各紙でも21世紀経済報道や第一財経日報など、写真付き1面トップで報じる主要紙が目立った。ただ概して辞任の原因や経緯を伝えるにとどまり、比較的落ち着いた報道だ。

福田首相が外交面で日中関係の温暖化に寄与した側面を紹介する記事が多い一方、今後の日中関係について不安視する論調はほとんどみられない。新京報は「日中関係改善の方向性は今後も変わることはないが、政局は将来混乱が予想され、外交政策には注視する必要がある」(清華大学国際問題研究所の劉江永教授)とした。英字紙チャイナデイリーは「日中両国の間には“警戒的楽観論”が根付いており、後任が誰になっても、両国を健全な関係に保つ重要性を見失うことはない」とした。

次期首相の最有力としての麻生氏についても、一部が「タカ派」と紹介する程度で、強い警戒感を表す論調もない。ただし国営通信社、新華社のサイト「新華網」には、一般市民から多くのコメントが寄せられており「福田の“福”は日中関係の“福”であり、麻生の“麻”は“麻煩(面倒、煩わしいの意)”の“麻”。今後、注意深く見守るべきだ」など、警戒意識をあらわにするコメントもあった。


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