コラム:テイクオフ


深夜の空港に人間ドラマを感じるのは勝手な思い込みだろうか。マニラの国際空港で見かけた海外出稼ぎとみられるフィリピン人は、不安そうな表情を浮かべていた。航空券の行き先には中東とあり、複数の文書をなくさないよう大事そうに抱えている。漆黒の闇を映す窓ガラスが、一段と不安を際立たせていた。

同じような光景をネパールでも見たことがある。空港の外にまで続く長蛇の列。行き先は中東が多かった。初めてか、一時帰国してまた出稼ぎにいくのか。寒さが残る季節に、Tシャツとジーンズというシンプルな服装が印象的だった。

海外に人材を送る――。高度人材ならまだしも、自国に必要な労働力が他国に出なければならない現状は最善とは言いがたい。国が貧しく、産業基盤が十分ではないことを映しているようにもみえる。雇用政策は国の未来をつくる。政府はそれをどう描いているのだろうか。(内)


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