2004年11月10日

優秀な現地管理者を育てたい


マネジメントと従業員をつなぐ優秀な現地管理者を育てたいのですが、どのようにすれば、こちらの意図を理解し、機能してもらえるのでしょうか。

 いくつかやり方はあると思います。

今回は、「社内で対処しているものの、選別作業、歩留まりの低下で困っている場合」について見ていきましょう。

(1)日本で働いた経験、留学した経験を持ったスタッフを雇用する

これは、日本人の考え方を理解してもらうためには必要なことです。同じように日本語を上手に話しても、日本にいたことのある人の方が、文化の違いを理解してくれます。

(2)日本での研修に出す

私の経験では、長い期間ではありませんでしたが、幹部スタッフを現場で作業させました。現場を知らずに、製造を正しく管理することはできません。かといって、マレーシアではプライドもあり、作業者と一緒に仕事をするということに抵抗が大きすぎます。

日本の現場で働くことで、仕事の厳しさ、面白さを理解できるようです。

(3)最後はOJT

見込んだスタッフに対しては、徹底的にOJT(On the Job Trainig=業務を通じた教育)で考え方を教えるようになると思います。この際、気をつけなければならないことは根気です。日本人でも、そんなにすぐに人材が育つわけではありません。現地スタッフに対して、過大な期待をしてしまうと逆効果で、すぐに会社を辞めてしまいます。

OJTのやり方としては、?それなりのポジションにつけ、必要な指示を出す。指示のフォローアップで教育を行う。?日報、週報、月報などを提出させ、これをチェックすることによって、本人の考え方などが良く分かります。おそらく、こちらが期待していたほど、理解はしてくれていないはずです。辛抱強く一つ一つ指導をして行く必要があります。

■指導のポイント

指導では、まずこちらが相手を知らなければなりません。相手の特徴、弱い点を知って、アドバイスしていく必要があります。

私が、コンサルタントをしていて、気付いた点を列記します。

1、大局的に物事を見ない

本人が悪いともいえないのですが、役割分担がハッキリしているマレーシアの会社では、自分の担当以外の事を考える必要もないし、むしろ批判されることの方が多いのではないでしょうか。これは訓練です。根気よく指摘をする必要があります。

2、結論を早く出しすぎる

早く結論を出して、早く終わらせたいというのが一般的な傾向です。じっくりと考える癖をつけさせる必要があります。

3、横のコミュニケーションが弱い

関連部署への連絡および関連部署と共同で行う仕事が非常に弱く、多くの会社では「それは日本人の仕事だ」程度に思っています。この横とのつながりを注意して指導をして行く必要があります。

4、部下とのコミュニケーションが乏しい

部下への情報の伝達が乏しいのも、マレーシアやシンガポールの特徴です。身分の違いがあるかのように、情報を伝えません。必要な人に、必要な情報を提供するのが原則ですが、それがなされていません。仕事を知らなくて、間違えるとメンツがあるから言わないのか、理由はわかりません。この指導は難しいのですが、心掛けて行わないと、おろそかになってしまいます。

以上のように、人を育てるという事は「努力と忍耐が必要である」ということを十分に理解しておいて下さい。

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