2003年 6月18日(水)
身近なシンガポール法務第89回[社会]
雇用差別(9)
岡田ビジネスコンサルタンシー
岡田昌光
一方、被雇用者側も“差別”をなくすために、留意すべき点はあります。それは、次のとおりです。
(1)何が差別規則なのかを知る。
(2)積極的に、“差別”のない職場作りに参加する。
(3)寛容をもって、職場に常に調和が保たれているようにする。
(4)職場に“差別”に対する苦情が起きても、話し合いと適切なシステムを通して、解決できるようにする。
つまり、雇用者も被雇用者も共に、職場での“差別”を最小限に留めるか、全く除去するかの責任をもつことです。
雇用者で、“差別”問題でアドバイスを必要とするとき、Singapore National Employers Federation(SNEF、全国経営者連盟)、もしくはSingapore Business Federation(SBF、シンガポール事業連盟)に問い合わせをすると相談に乗ってくれます。労働組合員は、“差別”をされたと思ったら、それぞれ属している組合に相談すればアドバイスを受けられます。
NTUCから取った“差別”の問題のある人材募集広告の例を次に挙げておきます。
(1)“Administrator. Supervisory experience. Prefer Chinese”(下線の箇所が“差別”に当たる)
(2)“Bank Job experienced. Clerk. Below35”(下線の箇所が“差別”に当たる)
(3)“A/CS. Clerk. Prefer female Chinese”(下線の箇所が“差別”に当たる)
次の例は、“差別”の問題のない人材募集広告例です。
(1)“A/CS. Any race/sex.”
(2)“Part-time clinic asst.
Mandarin speaking preferred.”
以上で“雇用差別”を終ります。