2002年10月 2日(水)

身近なシンガポール法務第53回[社会]


雇用(4)

岡田ビジネスコンサルタンシー

岡田昌光

前回述べました“Labor Relations Department of the Ministry of Manpower”(労働省、労使関係調整局)の具体的業務を述べてみます。

(1)Employment Act (雇用法)が適用される被雇用者に対する給与、雇用条件に係る不満、要求等の内容調査。

(2)雇用者、被雇用者(組合員、非組合員ともに)の両者に対して、業務、雇用、あるいは給与の紛争解決を調停を通して行い、労使協調関係を強化すること。

(3)“Labor Court”(労働問題専門裁判所)において、協調的に解決できない被雇用者の紛争を、裁判で決着させる。

“労働組合”の責務は、

(1)労使間の産業上の関係を良好に発展させること

(2)勤労者の勤労環境を向上させ、社会的、経済的立場を高めること

(3)勤労者、雇用者、そして経済全体のために生産性向上を達成させること――にあります。

労働組合の例として、National Trade Union Congress(全国労働組合会議)があります。雇用者側の連合として、Singapore National Employers Federation(シンガポール全国雇用者連合、日本の“経団連”に相当する)があります。

“CPF Board”(中央積立基金庁)は、勤労者が定年に達した時、また、勤務することが不可能になった時、生活資金の確保が目的で創設されたものです。“CPF”は創設以後、多面的な社会保障を提供する仕組みを形成し、老後生活の資金確保をしているのです。

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