2002年 4月17日(水)

身近なシンガポール法務第30回[社会]


偽物”と“商標権”、“特許権”

岡田ビジネスコンサルタンシー

岡田昌光

1980年代までのシンガポールは、偽物のたまり場でした。偽物時計、いんちき香水等が、巷に溢れていたのです。当時の当局の取り締まりは、偽物販売業者を追放するのに積極的ではなかったのです。しかし今日では、特許等の侵害者は、厳しく処罰を受けます。

例えば、偽物を販売したことが発覚しますと、その販売業者は、業務停止処分、罰金、拘置等の刑を受けます。

シンガポールは、貿易立国を標榜していることもあり、輸入品の偽物が出回っても、何らの手を打っていないということでは、貿易上大きな支障をきたします

一方、シンガポール独自の商標を持つ商品が輸出され、その商品の偽物が海外で生産され、それがシンガポールに輸入されますと、国内業者に悪影響が出てきます

こうした事態にならないよう、取り締まりは強化されています。

“商標”はシンガポールで商標登録を行うことにより、法的に保護されています

商標登録審査は、極めて厳格に行われ、申請商標の内容にもよりますが、18カ月から60カ月の期間を経て、登録を完了します。

また、商標登録を完了していない商品でも、その商品に類似したものが後で出回ってきた場合、その類似品を販売することを、不公平な競争を行っているとみなし、初めに出された商品を保護します。

シンガポールの“特許権”は、かつては登記を英国で行っていたのですが、今日では、シンガポールで、申請から登記まで行われています。

しかし、シンガポールで登記を完了した後、さらに、シンガポール特許庁が特許権の登録審査を、国際特許登記審査機関のある国々――例えばオーストリアもしくは オーストラリアに送付しなければなりません

審査を受けた後、最終的に、特許権を取得することができるのです。

シンガポールは、日本のように、特許事務所がありません

弁護士事務所で、商標権、特許権の対応をしています。

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