2002年 2月27日(水)
身近なシンガポール法務第23回[社会]
メイド、運転手、庭師のこと、両親扶養のこと
岡田ビジネスコンサルタンシー
岡田昌光
メイド、運転手、庭師等は、被雇用者とみなされます。
彼らが外国人であれば、“Work Permit”所持者でなければ雇用してはなりません。
“Work Permit”を持っていない外国人を雇用すると、不法入国者をかくまっているとみなされ、6カ月の懲役もしくは/及び最高6,000Sドルの罰金刑が課せられます(移民法第7条)。
外国人メイドが妊娠していることがわかると、Work Permitは没収され、強制帰国させるよう命じられます。
雇い主の5,000Sドルのボンド金は返済されません。メイドに自家用車の洗車をさせたりしますと、メイドを違法に使用しているとみなされます。
雇い主はメイドを家庭内の日常作業----掃除、洗濯等----のみの仕事を、Work Permitに記載されている住所でさせるように求められています。
両親扶養法
このような法律、Maintenance of Parents Act(両親扶養法)がシンガポールにあることをご存知ない方が多いかもしれません。子供は、60歳を越えた親に対する扶養義務があるとしています。
レストラン等で、よく老いた両親が子供や孫に囲まれて、楽しそうに食事をするのを見かけます。この法律のためではないと思いますが。
一方、親の子供に対する責任として、14歳から16歳までの少年が、違法行為を行い、Juvenil Court(未成年裁判所)から罰金刑の判決が出た場合、両親もしくは、後見人がその罰金の支払いの義務を果たさなければなりません。
もっとも、両親もしくは後見人が充分な注意を払って子供に接していたことが証明できれば、その必要はなくなります。