2001年11月21日(水)

身近なシンガポール法務第11回[社会]


不良債権回収(1)

岡田ビジネスコンサルタンシー

岡田昌光

不況になりますと、債権回収が滞りがちになります。

改めてここで申し上げるまでもなく、債権回収の基本は、支払期日を明確に請求書などに記載しておくことです。そして、支払方法(当地では小切手支払いが一般的です)も明記しておくのがよいでしょう。

特に、国外との取り引きの場合、その必要があります。

L/C(Letter of Credit)、また国によってはConfirmed L/Cとするのが良いでしょう。この支払い条件が回収の時、重要な要素となります。

また、期日までに決済されない場合、利息を付すことも忘れないで記載することです。支払期日を、“インボイス発行日から××日以内”とするのがよいでしょう。

支払期日が過ぎても決済がなされない場合、まず、文書で督促をすることです。電話で督促しても、証拠としては残らないので避けてください。

督促は、第1回目は規定支払日から10日目、第2回目はその日から更に10日目を目安とするのがよいと思います。

「督促状を受け取っていない」と主張される心配がある場合は、書留で送付するのがよいでしょう。

督促状に対して何らの返答がない場合、弁護士に依頼して“Letter of Demand”を発行してもらい、“By Hand”で相手側に届けることです。

弁護士は、この書状を弁護士事務所名で作成するにあたり、かかる未払い金が商品売上げに対するものである場合は、当該商品が間違いなく欠陥商品ではなく、相手側に正確に受領されたものであることを、書類などで確認します。

“Letter of Demand”に対して、発行日から7日以内に何の反応も無い場合、訴訟に持ち込むのがよいでしょう。そのタイミングについては、弁護士と充分相談することをおすすめ致します。

次回で“訴訟に持ち込んだ以降”についてお話します。

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