2001年10月 3日(水)

身近なシンガポール法務第5回[社会]


弁護士事務所利用時の注意点

岡田ビジネスコンサルタンシー

岡田昌光

第2回のこの欄で申しましたように、シンガポールの弁護士事務所の数は800にのぼります。この中から、相談したい事務所を選ぶのは大変です。

弁護士事務所の選定にあたっては、『International Financial Law Review:A Guide to the World’s International Business Law Firms』が参考になります。

もっとも、弁護士事務所名を見ただけでは、果たして自分が探している事務所かどうか、また、自分が抱えている案件を効果的に処理してくれるのかどうかなどは分からないものです。

やはり、シンガポール商工会議所や日本大使館、大手会計士事務所などに問い合わせて確認するのがよいでしょう。

弁護士に相談したいときは、できることなら相談内容を事前に連絡し、当日は短時間で相談ができるようにすることです。

弁護士費用は、通例、時間単位で算出します。

弁護士の経験年数などによっても違います。1時間あたりの弁護士費用は、弁護士協会で決められているようです。必ず、事前に費用の概算は確認しておくことです。

事前に示された費用で済まない場合もありますが、これは予想外の時間がかかったりすることがあるからです。

大きな案件の場合、時間ベースでなく、案件内容ベースで算出されることもあります。

いずれの場合でも、事前の確認と、変更があるときは変更理由などを充分理解しておくことが、無用な不信感を弁護士に対して抱かずに済む方法です。

大手の弁護士事務所は、ほぼどんな案件でも対応できますが、中小事務所の場合は必ずしもそうはいきません。得意不得意がありますから、この点を注意することです。

案件を依頼した後でも弁護士や弁護士事務所の変更は可能ですが、費用の点でも、また感情的なシコリが残る点でも勧められません。

このような点からも、弁護士事務所は慎重に選ぶ事を心がけてください。

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