2001年 9月 5日(水)

身近なシンガポール法務第1回[社会]


シンガポールの弁護士

岡田ビジネスコンサルタンシー

岡田昌光

ご縁がありまして、当分この欄を担当することになりました。

シンガポールでの日常生活及び企業業務における法務問題を中心に、お役に立つ情報を提供したく思っております。

第1回はシンガポールの弁護士についてお話ししましょう。

現在、シンガポールでは、約3,000人の弁護士が弁護士業務に就いております。弁護士の資格を取得するには、国内ではシンガポール大学で法学部を卒業することが必要です。毎年、約170人が法学部を巣立ち、約200人の新たな弁護士が誕生しています。シンガポール大学を卒業すると、ほとんどの人が法曹界に入ります。

シンガポール大学以外の大学、例えば英国のケンブリッジ大学法学部を卒業し、シンガポールの弁護士になる人もいます。リー上級相はケンブリッジ大学卒業で、一時弁護士をしていました。Lee and Lee法律事務所の創始者です。従って、シンガポール大学の法学部卒業生数より、弁護士の資格を得る人数が多くなるのです。

弁護士を性別でみますと、6対4で男性が女性を上回っています。女性の弁護士数は約1,200人ですから、弁護士事務所で女性弁護士が目に付きやすいのです。一般的には、男性弁護士は訴訟関係、女性弁護士は不動産譲渡証書作成などの業務に携わる場合が多いようです。

先ほど申しましたように、シンガポール弁護士の資格を得るためには、シンガポール大学で法学部を卒業しなければなりません。4年の間に、刑法、契約法などの基本法をはじめ、会社法、銀行法などを学びます。卒業してSecond Class Lower(LL.B) Honors(法学士)を取れば、更にPostgraduate Practice Law Course(卒業後の実務法コース)に進み、かつ、法律事務所で6カ月間の研修を受けるか、Legal Service(法務関係業務を行う政府機関)で3年間勤務する必要があります。その後、Singapore Bar(シンガポール弁護士協会)に登記を済ませば、晴れて一人前の弁護士資格を取得することができるのです。

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