2004年12月15日
従業員に責任感を持たせるには(前編)
従業員全員に責任感を持たせたいのですが、どうしたらいいでしょうか。
まず、ケース・スタディーを行ってみましょう。
田中製造部長(以下、田):昨日は生産が200もマイナスとなり、納期に支障出てきている。なぜ遅れたのか?
ザイナル製造課長(以下、ザ):もともとの計画に無理があるんです。
田:そうは言っても、生産会議の時には何も言わなかったじゃないか。
ザ:無理なのは分かっていましたが、できないと言うと、またMDが怒って、やれと言うだけだから黙っていたんです。
それに、昨日は材料不良で、選別が必要だったので人手が足りなくなってしまったんです。
田:それは聞いている。しかし、なんでその時に言って、他の部署から応援を受けなかったんだ。
ザ:いつも、応援を頼んでもみな忙しいので、応援をしてくれないんです。
田:応援を頼んだのか?
ザ:頼みませんでした。
田:頼んで見なければ分からないじゃないか。
ザ:それに、製造も昨日は雨が降ったので休みが多かったし。
田:なんで、そんなに休みを取らせているんだ。
ザ:有給休暇ですから、彼らの権利で、私には止めることはできません。
田:出勤率の平準化を図るのは製造課長の仕事だよ。
ザ:そうは言っても、有給休暇ですから。
田:作業者から連絡は来たのか?
ザ:連絡があった人もいます。
田:連絡がなかった人にはコンタクトしたのか?
ザ:コンタクトしていません。来ていないのだから連絡を取ってもしょうがありません。
田:君も知っているように、今月の生産は厳しい。半日だって出てきてくれれば助かるのに。
ザ:半日だったら出てきませんよ。通勤バスはないし。
田:総務と話をして、通勤バスか社用車か出したらいいじゃないか。
こんな話をした後、田中製造部長は製造課長の責任のなさ?に不満を感じるのだった。
(1) このケースでは、最初から無理な生産計画が組まれていたようである。しかし、ザイナル製造課長は、会議の席では何も言っていない
(2) 生産が遅れるという問題が起きていながら対策を実施していない
(3) 作業者が勝手に休んでいる。管理がされていない
このような問題があり、田中製造部長は不満に感じているようである。
それでは、どこが悪いのであろうか。次回、分析します。