2004/12/01

利益を出すには


利益を出したいのですが、いったい何から始めればいいのでしょうか?

 まず行わなければならないのは経営分析です。どこを改善したら、最も効果があるかを見極めます。

収益の分析
収益の分析を行っていくと、上の図のような結果が得られるのではないでしょうか。各項目の重みは、工場の規模および製品によって異なってくると思います。

(1)人件費

マレーシアの労働者の賃金は安いと思います。しかし人件費が安いかどうかは疑問です。賃金が安くても、仕事の質が悪く、生産性が上がらず、不良品ばかり作っていたのでは、結果として高くつきます。

動機付け みんなにきちんと働いてもらうのには、それなりの動機付けが必要です。しかしマレーシアでは、残念ながら日本のような労働者を大切にするという気持ちは希薄であるような気がします。

作業者の場合は、それなりの動機付けをすると、良い結果を出してくれます。しかし動機付けをするがわが真剣ではなく、金だけが動機付けと誤解しているようです。

人件費がカギであれば、動機付けをもっと進めるべきでしょう。しかし、ローカル・スタッフには、人のファクターに対する意識が薄く、現在の段階では、日本人がリーダーシップを取って指導をする必要があると思います。

働く仕組み作り 現状では、よく働いても、いいかげんにしていても給料もボーナスも同じという悪平等がみられます。 よく働いた場合、何らかの成果を出した場合など、それなりに評価をする仕組みが必要です。これは「言うは易く、行うは難し」です。2~3年ぐらいの長期戦を覚悟してください。

(2)設備費

稼動率の向上 これは、なぜ設備が止まっていたかという分析から始まり、TPM (Total Productive Maintenance) でいう設備保全を行うことになります。難しさは、機械は壊れてから直すものという固定観念と、メンテナンスはメンテナンススタッフが行うもので、製造には関係ないとする考え方が根強く、これを払拭するのに時間が掛かります。

また、メンテナンスの方法についても、知識などの点で十分な指導が必要です。この指導は、現地スタッフには経験がなくて任せられないものです。

販売を増やす 機械の稼動率が悪く、遊んでいるような状態の場合は、固定費の回収のために、販売を増やすことが大切になります。

修理費用 予防保全、簡単な修理は社内で行いたいものです。現在は、多くの会社で安易に修理を外注に出しているように見えます。

一方で、「金がないから」といってスタッフが率先して、内製化を行っていた会社もありました。

(3)材料費

歩留まり 品質を向上させ、不良廃却品を減らすとともに現品の管理を徹底し、在庫品の劣化、さびなどによる廃棄をなくします。

価格 意外でしたが、供給業者と価格交渉を行ったことのない会社もみられ、大きな成果を得ました。

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