2004年11月17日

優秀な人材を採用するには


優秀な人材を採用し、組織を固めたいのですが、どのような方法がありますか。また、採用時の注意点を教えてください。

 短期的に行う場合と長期的に行う場合とでは、アプローチが違ってきます。短期的に考えるのであれば、あくまでも優秀な人材を金に糸目を付けずに選ぶという事になります。一方、長期的に考えると、長く勤めてくれるような人材を雇用すべきでしょう。

(1)短期的に考える場合

一般的に、日系大手電機メーカーに勤務していた応募者であれば、それなりの教育を受けているので、能力的には問題ないと思います。ただ、退社の動機を聞いておく必要があります。また、能力については例外もありますので、3カ月の試用期間で、じっくり能力を確認する必要があります。

■どんな企業で働いていたか

長期的に考える場合も同じですが、今までの経験によって、仕事に対する取り組みが違いますので、ご注意下さい。違いは次の通りです。

『1』日系企業の経験者:仕事の基本や現場重視などの考え方を理解しており、最も使いやすいスタッフといえます。

『2』欧米系企業の経験者:日系企業の経験者に比べ、積極的に見えるかもしれません。自己アピールが上手ともいえます。雇用後、多少の違和感を感じる場合もありますが、おおむね積極的と見えます。

『3』現地企業の経験者:雇用は控えた方が良いかもしれません。現地企業(中国系)の場合は、極端なトップダウンのようです。従って従業員に考える余地が与えられていないため思考力が弱く、部門間のコミュニケーションが下手であるといった傾向があるようです。

<注意事項>

新規雇用者に高い給料を払うのであれば、現在のスタッフも含め、不公平とならないように平均水準を上げておくことが必要です。自社の賃金水準が高いと思っていても、それ以上の給料を要求する応募者もいます。こちらが考えている給与の1.5倍から2倍を要求する応募者です。これはミスマッチのケースが多く、それだけの高い能力の人は現在の組織にはいらないという場合もあるようです。

(2) 長期的に考える場合

いくら能力のあるスタッフでも、1~2年で辞められては、会社の実力が上がるはずはありません。長期的に見るのであれば、定着の良いスタッフを雇用する必要があります。

■過去に転職が多い応募者の雇用は要注意

転職が激しいといわれるシンガポール、マレーシアですが、すべての人が均等に職を変えている訳ではなく、個人差によるところも多いようです。従って、今までの経歴を見て、転職が多い応募者はやめた方がよさそうです。雇用しても結局1~2年でまた辞めてしまいます。

■政府系企業の試験を受けた応募者は要注意

短期的に考える場合も同じですが、大学を受験している、または受験する予定であるとか、政府系の企業または政府の試験を受けて回答を待っているというケースは危ないものです。大学および政府系企業の合格発表は3~6カ月程度遅れるようです。従って、雇用をして、仕事を覚え、これからという時に会社を辞められてしまいます。応募の時には、試験に受かるかどうか分からないと言って来るのですが、社内で優秀なだけに、試験の結果も良いようです。

NNAからのご案内

出版物

SNSアカウント

各種ログイン