2004/11/03
不良品の発生率を低くしたい(後編)
不良品発生がなくならなくて困っています。発生率を低くする方法はありますか?
前回は、不良品が発生してどのように困っているのか、ということについて、「顧客からのクレーム、苦情で困っている場合」の対処法を見てみました。
今回は、「社内で対処しているものの、選別作業、歩留まりの低下で困っている場合」について見ていきましょう。
ステップ1
問題のある製品を明らかにする
これは慢性的な問題だと思います。何となく、検査に頼りすぎているような気もしますが、問題のある製品および工程は分かっていると思います。もし、そうでない場合は、問題のある製品および工程を明らかにする事から始まります。
ステップ2
不良品の種類を特定する
次に、不良品の種類の特定です。ステップ1ですでに分かっている場合も多いと思います。
不良品の種類としては、寸法、外観、バリ、傷などがあると思います。
ステップ3
不良品の発生状況を調べる
不良品の発生は、常に一定の割合で不良品が出ているのか(工程能力の問題)、不良率の変化が激しい(管理の問題)かを調べます。
ステップ4
いつ不良品が発生するのか特定
次は、発生の状況を確認します。いつ起きるのか、です。発生に時間との関係はあるのか、材料の切り替えと相関関係はないか、機械の稼動開始時の不良はどうか、機械を長期間稼動した場合、不良率の増加または減少はあるのか調べます。
ステップ5
不良品発生の要因を広く検討し、工程を絞り込む
次は、不良品の発生する工程を絞り込むことです。これは、場合によってはかなり手こずるかもしれません。つまり、問題を起こしている工程と問題が顕在化し、発見される工程が違う場合があるからです。この場合はすべての問題発生の可能性を検討し、可能性の大きなものから順番に調べていくことになります。
気をつけなければならない事は、ローカル・スタッフに任せた場合、何か、それらしい原因を考え、それ以外の原因を考えなくなる傾向があります。広く可能性を考え、その中から、関係のない要因を排除し、残ったものが、不良の原因となりますが、この思考はローカル・スタッフには難しいもので、指導をする必要があります。
ステップ6
工程の中で、さらに要因を絞り込む
同じラインが何本もある場合、型または治具が複数ある場合、作業者が何名かいる場合、材料の供給業者が2社以上ある場合、それらの違いと不良品との間に関係はあるか相関関係の有無を調べます。
これでかなり絞り込むことができたはずです。原因と対策がかなり明確になってきたのではないでしょうか。工程内の不良は “0” にすると力むよりも、減らすという気持ちで取り組んだ方が、気が楽で、結果として良い成果が出るかも知れません。
不良によっては、原因が分かっていても、設備の改善更新などが必要となり、すぐには良くならないものもあるでしょう。この場合は、工夫、改善で良くならないかという取り組みになりますが、日本人がアイディアを出さなければならないでしょう。ローカル・スタッフからのアイデアは、かなりレベルが向上しないと期待できないものです。