2005/01/26

作業員の定着率を上げるには


作業員の定着率が悪い。どうすればいいのでしょうか?

 作業員の定着率には地域的なものもあるようです。

西海岸では、定着率が悪いようです。つまり、都市部の労働者は定着率が悪く、多くの会社では外国人労働者を雇用しているのが実情です。

対策としては

(1)定着率を向上させる

(2)定着率が悪くても困らないようにする

が挙げられると思います。

(1)定着率を上げる

多少給料を上げた程度では効果は小さいようです(他社の50%増し程度であれば別ですが)。私が見てきた各社の状況を下の表にまとめてみました。

表の補足説明をすると、作業者を一人格として扱っていない点が一番の問題という気がします。特に、上司と部下の人種が違う場合には、コミュニケーションがうまくいかないせいか、クールな付き合いといった感じを受けます(同じ人種の場合は、悪いことをしても隠すといった弊害も時々見られます)。

ある会社では、従業員が就業規則を守らないので困って、就業規則の説明を再度行ったところ、これが好評でした。就業規則については、入社時に行う教育が形式的なものになっている証拠ともいえます。就業規則の教育といえ、何らかの形で作業者も対象にしてもらえるということが、喜ばれた理由のようです。

日本人と現地管理者の比較 また、遠くの村までバスを出して人手を確保している会社も多くあります。山奥の村(カンポン)では、まとめて従業員を雇う事ができるようです。山奥までは、あまりバスが行っていないせいか、従業員も真面目で、他社に勤めるのも大変なので、気分で辞めるという人は少ないようです。ただ、全員が同じバスで通勤することになるので、残業が難しくなります。

<実験中のこと>

まだ、効果の有無は言えないのですが、ある会社でQCC(品質管理サークル)を通じて作業環境の改善に取り組んでいます。話を聞くと、やりにくいこと、大変なことがあっても、そのままになっています。上司が、作業の大変さを気にしていない点が問題だと思います。

この活動を通じて、作業者にハイライトを当てる、しつけを行うことを考えています。結果として、定着率が向上すればと考えているのですが。

(2)定着率が悪くても困らないようにする

これについては、マニュアル、作業要領書の整備、教育の徹底、作業のポイントや管理値の表示の充実など、作業者が代わっても、その仕事が間違いなく出来るような体制を作るべきです。これはISOの要求事項を徹底することにより可能であると思います。

これは、言うのは易く行うは難し、であり、時間が相当掛かるので、覚悟と忍耐が必要です。

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