2005/01/12

仕事の能率を上げるには


日本と比較して仕事が遅すぎると思うのですが、何か対処法はありますか?

 おっしゃる通りです。私が最初に滞在したタイでも、まさにその通りの感じを持ちました。マレーシアも全く同じです。私は次の表のような印象を受けています。

解説図
確かに仕事は遅いと思います。従って、その分余裕を持って早めに指示を出さなければなりません。悪いことに、早めに出した指示が、指示された内容が分からないまま、放置されていることもあります。

指示は早めに出し、実行されているかチェックをしなければなりません。これは、東南アジアでの仕事に必要なスタンスですが、慣れるまでに相当フラストレーションがたまります。

さらに、期限内にできる可能性は少なく、遅れるという連絡なり報告はさらにありません。従って遅い上に、本当に指示された仕事をしているのか、私たちがチェックをしなければなりません。

私たちの仕事は、日本語と英語で、かつ自分の仕事だけではなく部下の仕事の進ちょく管理も行わなければなりません。日本に比べると倍以上の仕事をこなしているのかもしれません。でも給料は決して倍ではないと思います。

[なぜ遅いのか]

国によって違います

(1)タイの場合:

懲りすぎ(簡単にすればいいのに、完璧を目指す。言っても聞いてくれない。)

(2)マレーシアの場合:

考えることを要求すると途端に遅くなる。従って、考えなくて済むような細かい指示が必要。考えさせようとすると、彼らもつらそうです。

[どうしたら早くなるか]

なぜ遅いのかの逆ですが、考えないで済むようにする工夫です。なるべく、書式などを整備して、簡単にできるように工夫をしてあげることです(日本では本人が考えて実行することですが)。

コンサルタントに対する要望も同じです。ISOのコンサルテーションなどでも、われわれに対して現地スタッフが期待しているのは、彼らに代わって彼らの仕事をすることです。マニュアルがあって、それを丸写しにすれば、ISOの書類が完成をして、そのまま認証を取得できることが期待されています。ISOの推進を通じて、能力開発を行うなど、論外です。

正論や筋論を言ってもしょうがありません。会社としての効率を高めることを考えるのであれば、書式の統一、事務合理化につながる書類の見直しと、簡素化、既製服のようなチェックとサインだけで済むような書式の開発などが必要でしょう。

[もう一つの問題点]

考えることが不得意であると申し上げましたが、分からなかったら誰かに相談をすればいいのですが、その相談をしません。プライドがあるのか、同じレベルのスタッフには相談をしません。私のようなコンサルタントには情報を持っていると思っているせいか、困って相談にきます。

私には、彼らは仕事で相談をした経験がないのではないかのように見えます。仕事で同僚に相談するという日本的な発想は全くないようです。上司が、困っていないかどうかを聞いてあげなければならないということです(至れり尽くせりです。やってられませんか?)。

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