2005/01/05
作業者の数字的管理は必要か
作業者の数字的管理は必要なのでしょうか。必要であればどのようにすればいいのでしょう。
どうなのでしょう。私としても難しい問題で、まだそこまでは考えがおよびません。中間管理職としてのマネジャー、エグゼクティブ、スーパーバイザー、ライン・リーダーの管理が十分にできている会社が少なく、その面での指導で手一杯といった状況です。とはいっても、作業者の数字的管理は必要かという質問に対して、数字的管理を行うことはよいことであると思います。ただし、条件がいくつかあります。
[条件1]
個人で作業のスピードをコントロールできる仕事である。
仕事の結果(良い仕事をしたか否か)を判定する基準があり、通常的に判定している。
つまり、個人作業の場合には計測可能であり、数字的管理が容易です。
一方で、ベルトコンベアーのような作業では、数学的管理は難しいと思います。むしろ、1人で何工程の作業ができるかということが評価基準となるでしょう。
[条件2]
この数値的管理の結果は給料または賞与といった形で、必ずフィードバックできる形になっていなければなりません。
数値的管理といいますが、この管理がぽつんと独立してあるのではなく、給与体系の一部と捉えたほうがよいのではないでしょうか。
[事例紹介1]
ある会社では、スーパーバイザーが独自で数字的管理を行っており、自分のポケット・マネーで達成者にはプライズをあげていた。(マレーシア)
この事例から言えることは、インセンティブの額はそれほど大きくなくてもよいということです。
[事例紹介2]
シンガポールの会社では、グループごとに品質、生産量を数値管理し、毎月達成グループ全員に割増金を払っていました。
楽しくやるなら、それにこしたことはないと思います。
避けなければならないのは、数値管理だけを行い、指摘だけを行うケースでしょう。その場合は、反発だけが残ります。
[注意が必要なインセンティブ]
数値管理でインセンティブを与えすぎると逆効果もあります。事例2の会社では、インセンティブ欲しさに必要以上の製品をつくっていたということもありました。定期的な見直しが必要なようです。
[導入時の注意]
この件については、管理の方法およびインセンティブの出し方などがありますので、現地スタッフと十分相談をされることが大切であると思います。
[最後に]
このような説明で、よろしかったでしょうか。
ところで、あまり数字的管理という言葉は使われていないようですね。特定の用語と言うわけではなく、管理を数字で行おうということですね。TQC(Total Quality Control)で言う「数字で話せ」、ISOの「目標値はできるだけ数値化するのが望ましい」の流れでしょうか。
手順としては次のようになると思います。
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