2004年12月29日
現地化を進めるには
現地化を進めたいのですが、どうしたらいいのでしょうか。
まず、現地化の定義をはっきりさせたほうがいいでしょう。現地化とは、
(1)経営を現地に任せる(日本人でも良い)
(2)現地人に経営を任せる(日本人ではだめ)
(3)日本人の数を減らす
どの定義がピッタリとくるでしょうか。最近は収益の悪化から、コスト分析の結果、人件費の高い日本人を減らそうということがあると思います。
私が見てきた現地化には次のようなものがありました。
A:現地化をしたら日本人の数が増えてしまった
これは、現地人の能力が十分ではないのに、日本人を引き揚げさせたために、品質に大きな影響が出て、元の品質に戻すため結局以前より多くの日本人が必要になったケースです。
B:現地化をしたら、人件費が高騰してしまった
人件費とは基本的にアウトプットに対する給料です。従って、給料が安くても、それ以上に働きが悪いと結局高い賃金となります。シンガポールで見た例では、現地スタッフは残業、休日出勤を拒否するため、日本人が1人でする仕事を、3人、4人かかり、結局高いものについてしまったというものです。解決策として現地雇用の日本人で対応しました。このように、人の現地化もよく考えて行わないと逆効果というものもあります。
現地化を進めるには、次のような思考が必要ではないかと思います。
最初の「何のために現地化をするのか」という問いに答えると、おのずから全体像は定まってくるのではないかと思います。
国際貢献のため、赤字を覚悟で現地化を進める場合もあるでしょう。個人的には、私企業ですから、企業としての業績拡大を目指し、取り組んだ結果、現地化に到達したというのがベストだろうと思っています。現地化は目的ではなく、企業の最適化の手段の一つであると考えるほうが良いのではないかと思います。
[到達地点はどこか]
業績が目的であれば、現地化は業績が最大、最適となるレベルになるはずです。中途半端に見えても、その方が会社としては利益が出るケースも多いのではないでしょうか。
[現地スタッフの教育]
現地化をするのであれば、相手側である、現地スタッフの教育を充実する必要があります。私が見てきた範囲では、現地化を要求してきたスタッフが、いざ現地化のプログラムの一環として、教育を始めたところ、すぐに音を上げてしまい、会社を辞めてしまったというケースもよく見ます。権限は欲しいが、そのための努力には耐えられないといったところでしょうか。
[定期的見直し]
現地化には必ず人の要素が出てきます。現地化をしようとしても、バトンを渡すはずであった現地スタッフが退社をしてしまうというケースも多く見てきました。あまり気負わず、臨機応変に対応すべきでしょう。