2004年10月27日

不良品の発生率を低くしたい(前編)


 不良品発生がなくならなくて困っています。発生率を低くする方法はありますか?

 このような事でお困りの会社は多いことと思います。

工場管理の原則は、大きく捉えて、絞り込むことです。

■不良が発生して、どのように困っているのか

(1)顧客からのクレーム、苦情で困っている

(2)社内で対処しているものの、選別作業、歩留まりの低下で困っている

(1)の場合と、(2)の場合とでは、対処の仕方が違います。(1)の場合は、不良品の流出が問題であり、(2)の場合は、工程内の製造品質が問題です。もっとも、問題は両方だという場合もあります。

(1)の場合の対処方法

この場合、問題の起きる部品および現象は明らかになっていることと思います。

現象をさらに絞り込むと、(i)部品の割れ、バリ、寸法不良など工程や技術に起因するものと、(ii)異品、数量の不足、さび、汚れ、ほこりの付着といった管理の問題に分かれます。

(i)の技術の問題であっても、技術ですぐに解決できるのであれば、それに越したことはないのでしょうが、そうではないから問題になっているのだと思います。技術で対応するのが基本ですが、すぐに技術で対応できないのが普通で、それまでの間、不良品の流出防止を行なわなければなりません。そのためには、

a)工程の作業者による抜き取り検査

b)検査員による抜き取り検査の充実

c)包装作業者などによるチェック

d)数量については重量測定による確認

などが一般的に行われています。

状況に応じて、抜き取り頻度の増減、検査員の教育、チェックの記入などが行われます。私のマレーシアでの経験から言うと検査員の技能が意外と問題であることが多いようです。教育が不十分といったところです。

このほかに気を付けていただきたいのが、決められた事が決められたとおりに実行されているかという事です。日本と比べ人の移動が激しく、監督者が監督者としての役割を充分に果していないので、以前に決めた事が守られなくなって、不良が発生しているかも知れません。

(ii)の管理が原因である場合は、まず全員の再教育です。先にも述べたように、人の動きが激しく、知らない人もいると思います。新入社員に対する教育も丁寧に行われているという保証はありません。教育が行われていても、表面的な教育に終わり、参加者が理解をしたかどうかという事は考えていない(教育をしろと言われたから教育をした。理解をさせろとは言われていない)場合が多いと思います。また、配属後は定期的なフォローアップの教育やOJT(On the Job Trainig=業務を通じた教育)などが実施されていないケースの方が圧倒的に多く、これでは問題を起こすなという方が無理かもしれません。

マレーシアでは、改善のアイデアはあまり出てこないのですが、言われた事は面倒でも守るという良い面があります。監督側の問題が多いと見ています。(2)についての対処法は、また次回にお話します。

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