2004年11月10日

第16回きちんと記載された発票を受け取っていますか?


徴税強化の動きに関しては、最近、個人所得税などいろいろな税目で実施されてきていますが、今年8月末に北京市地方税務局弁公室より、普通発票の発行に関する問題について通知が出され9月1日より施行されています。

普通発票とは増値税発票以外の発票のことで、「服務業、娯楽業、文化体育業専用発票」は皆さんもよく飲食店などで受け取っていることでしょう。

また、このような発票を発行する機械をもっていないお店では、100元、50元、10元など定額の発票を何枚も受け取ることもありますね。定額発票は、あらかじめ記載されている金額以外のところについて、すべて手書き記入することとなっており、原則としてお店の人が受取人、発行日などを記入の上、押印してから発行しますが、一度の発行枚数が多くなりますのでお店の押印以外は省略されたまま受け取るケースもあると思います。

これまでに、皆さんの中で、領収証としてお店から「収据」と記載されたものを受け取った経験はありませんか。

「収据」は、文房具店などでも用紙を購入できる単なる受取証であり、中国では正式の領収証として認められていないものです。そこで、周囲の方から領収証を受け取る際には気をつけるようアドバイスを受けていた方もおられるでしょう。痛い目に会わなくても諸先輩方の暖かいアドバイスを受けてから、お店に対して必ず所管税務局から受領購入した発票の発行を要求している人も多いはずです。

酔っても確認、お店の名前

でも今回の通知では、用紙自体はたとえ所管税務局から受領購入した発票であっても、記入すべき項目について記入のない、あるいは正しくない、はっきりお店の印鑑が押印されていない発票などについて、税務上は損金経理するための証拠として認めないということになりました。

中国では日本の大企業と異なり交際費に関しても、売上高の一定割合(例えば製造業や商業の場合、年間売上高1,500万元までは0.5%、年間売上高1,500万元を超過した部分は0.3%、建築業や運輸業などの場合、年間業務収入500万元までは1%、年間業務収入500万元を超過した部分は0.5%)については損金として課税所得からの控除が認められていますので、会社の内部管理上は経費として認められても、税務上は認められないということになると、もったいない話です。

これからは、いくら酔っていたとしても「収款単位(お店の正式名称)」、「付款単位(会社の正式名称←面倒でも略称は避けましょう)」、「経営項目(餐費など)」、「金額」、「開票日期(発行日)」、「財務印章あるいは発票専用章(お店の印鑑)」が記載されているのをきちんと確認してから受け取るようにしたいものです。

機械式の場合、翌日になってから空欄であることに気づいても、手書きで埋めることはできませんので、訂正してもらうため二晩続けて同じ店に行くような羽目にならないよう、くれぐれも注意しましょう。

※(本稿は税務会計上のポイントを実践形式で解説したものです。著者個人の意見であり、所属する法人とは関係ありません)


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