2004/09/21

第08回 5S活動(何のために5Sを行なうのか)



5S(整理・整とん・清掃・清潔・しつけ)の必要性については、どこの会社も認識しているようであるが、自社にとっての5Sとは何か、5Sを通じて何を得たいのかが明確ではないように見える。

5Sの対象にしても、機械を数多く使用している会社などでは、機械の清掃が5Sの主な目的になるであろう。組立ラインであれば、部品の置き方などが重要であろう。整理、整とん、清掃、清潔、しつけというが、業種により、強弱が違ってくる。ゴミ、ほこりを嫌う、電気・電子製品であれば清掃が重要かもしれない。ハイテクでなければ、整理・整とんだけで生産性が上がっているならば、それで良いかもしれない。

要は目的、対象をハッキリさせることである。

◇ 整理・整とん

決められたものが決められた場所にあること。これは、生産性の基礎であり、組み立て工程においては、これがかなめである。決められたものが決められた場所に置いてあることにより、部品および材料の過不足が分かり、部品が切れないうちに注文することができる。

整理、整とんができていない会社でよくある例は、副資材などを購入しておきながら、置いてある場所が分からなくなったため再度注文し、在庫が非常に多くなっているケースである。過剰在庫は粗末に扱われ、踏みつぶされたり、袋が破れたり、劣化して使えないものが増える。キャッシュ・フローの問題だけではなく、原価高にもつながっている。

◇ 清 掃

これも各社に必要なことである。機械を使う会社では、機械を清掃することにより、問題が小さいうちに異常を発見することができ、修理費用を抑えることができる。

作業者のモラルを維持し、製品品質を落とさないために必要なことである。

◇ 清 潔

特に電子、電気などのハイテク産業で必要である。最近のハイテク製品はゴミ、ほこりを極端に嫌う。各社ではビニールで作業場を囲うなど、それなりの工夫を凝らしているが、基本である清潔の意識は各作業者およびスタッフに植え付けたいものである。

◇ しつけ

5Sの最後に来るだけあって、大切であり難しいものである。マレーシアにある日系企業全社が問題として抱えていると言っても過言ではない。難しさは、教え方にあると思う。具体的には次の方法がある。

(1)日本で研修させ、日本人の仕事に対する取り組みを教科書として理解させる(効果はあるが金もかかる)。

(2) 日本人がOJTで教育する(日本人の意識が必要。従業員が定着していることが大切)。

(参考:私どもがコンサルテーションを行なう場合は、ケース・スタディーなどで指導しています)

各社の更なる発展のために、マレーシアで5Sが定着している会社のポイントを紹介する。参考になれば幸いである。

◇ 会社のトップのコミットメントがある

◇ 5Sの担当者がいる

◇ 時間を決め、皆で5Sを実施している

◇ 5S推進の監査が行なわれており、評価がされている

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