2004/08/17

第06回 老朽化する設備:TPMの紹介



前回、設備の老朽化について記事を書かせて頂きましたが、その関連で設備の保全を扱った手法、TPM(Total Productive Maintenance)を紹介させて頂きます。

最近は少なくなった感があるが、職人と呼ばれる高度な技能を持った人達が、素晴らしい立派な製品を作っていた。その当時、職人の魂は道具であった。料理で言えば包丁。大工で言えば、鉋(かんな)や鋸(のこ)などである。道具をそろえることが第一であった。

時代は変わり、職人が活躍する職種は減り、代わって機械が仕事をするようになった。機械はメンテナンス次第で長持ちもし、早く壊れもする。職人と同じで、メンテナンスが良ければ機械の精度も長い間維持することができるが、メンテナンス悪いと精度はすぐに落ちてしまう。

機械を使って物を作る時代になると、機械の重要性が増し、メンテナンスも大切になってきた。この時代の要求にこたえる、機械のメンテナンスをシステム的に行うのがTPMと言える。

機械

私の個人的見解は次の通りです。

1、機械の故障を減らす      ⇒生産性の向上
2、機械に起因する不良を減らす  ⇒品質と歩留まりの向上
3、機械の精度を維持、向上させる ⇒品質と歩留まりの向上

TPMの活動とは具体的には次のようになります。
1、機械の清掃を行い、隠れていた機械の不良を明らかにする。
2、明らかになった機械の故障を修理する。
3、機械の定期点検を行う。
4、機械の定期点検が行いやすいように機械を改造する(例:機械の中を見ることができるように、鉄のカバーをアクリルのカバーに替え、問題があれば一目瞭然とする)。
5、メンテナンスが容易なように機械を改造する(給油口を機械の後ろから前面の入れやすい位置に変えるなど)。

1、作業者-機械の清掃
2、メンテナンス-明らかとなった機械の不良に関する修理
3、エンジニア-点検、清掃、修理がやりやすいように機械を改造する

海外での一番大きなメリットは、「突発的で重大な故障がなくなる」の一言に尽きる。修理が何週間にも及ぶケースもあり、納期の問題が深刻になってくる。また、修理が終了しても、いろいろと条件を調整しなければならない場合もあり、すぐにフル生産できないケースもあるからだ。

NNAからのご案内

出版物

SNSアカウント

各種ログイン