2004/06/08

第02回 成功企業に共通するもの



マレーシアで生き残るカギは何であろうか。マレーシアで各社のコンサルテーションをしていると、成功している会社には共通点が見える。今回はこれを紹介する。

1. MDが一生懸命

コンサルタントを入れようとするほどの会社のマーネンジング・ダイレクター(MD)はさすがに立派な方が多い。「3~5年で任期を終えるから、それまでつつがなくやっていればよい」と言った腰掛け気分では決して利益は出ない。腰掛け気分の方は、毎年会計報告の時期になると、もうからない理由を考える。日本本社が納得すれば良いわけで、マレーシア人の国民性だの、なんだのを持ち出してくる。自己弁護に努める。本当は、どのような条件でも与件としてあえて受け入れ、その上でどのようにして利益を出すのかを考えるのがMDのはずである。

利益を出す会社のMDは、会社の利益を出すという責任を真に理解し、真剣に取り組んでおられる。利益を出し、会社を存続させるという目的や目標が非常に明確であるので、私どももコンサルタントとして非常に仕事がやりやすい。

こういった会社は、コンサルテーションを始めた時には赤字でも、すぐに黒字に転換している。

2. 日本のシステムを導入

ある会社のスタッフが受けた研修のテキストを拝見すると、アメリカのMBAで使用しているような教材で、アメリカで学んできた事をそのまま教えているようであった。大学であればそれでも良いであろうが、企業人に教えるのであれば、実践的な教材でなければ意味がない。

Six Sigma、 MRP、 SPC、MSA、 FMEA、DOE、 QFD、 MBOなどの横文字で、ありがたいものであると誤解しやすいが、日本でやっている事とそんなに違うものでもない。これらのことは日本語で話しても商売にならないが、英語で話すと商売になる。

発展する会社は、日本をベースにしたシステムを導入している。MDが分からない事を部下にやらせても、やりっぱなしになってしまい、会社に定着しない事をMDは良くご存知なのである。さらに補足すると、ここまでMDが見ている。真剣になっているという事である。

3. 現地スタッフと一体に

解説図
一時代前は、現地スタッフは定時で帰り、日本人だけが夜10時、11時まで働き、会社の利益を出していたという会社も多かったと思うが、このような時代は終わりを告げようとしている。そんなに世の中、甘くはない。今の厳しい時代は、日本人スタッフだけではなく、現地スタッフも一生懸命働かなければ倒産してしまう時代である。

現地スタッフに働けといっても、それなりの教育なり、動機付けを行い、人事システムの改革も行わなければならない。これらは後ほど書かせて頂きたいと思っている。

私自身、成功している会社のスタッフと接して、優秀だと思うし、良く頑張っていると思う。現地スタッフの頑張りがなくては、会社が成り立って行かないと実感する。一方で、よくこの会社はつぶれないな、と思う会社もある。

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