2004/05/25
第01回 見直される東南アジア
風向きが変わった?
猫もしゃくしも中国へと、草木もなびく中国であったが、最近少し見直されつつあるような気がする。
日経ビジネスより抜粋
2004年4月19日号の日経ビジネスの特集は「帰ってきたアジア」(稼ぐなら中国よりもタイ・ベトナム)。記事の内容は次のようであった。
タイ:消費絶好調、日本の投資が足腰を鍛えた
富士通はタイでHDDを集中生産している。中国に進出する計画はない。ベアリングからモーター、ディスクの基板まで、タイには10年以上かけて築かれた調達網がある。政治や経済の安定を考えれば、中国に出る利点は小さい。
ベトナム:高級品が売れる新市場、タンス預金が購買力の源
人件費は中国より2割ほど安い。
中国:エンジニアや経理要因の給与はタイの2~5倍
ASEANに新しい風?
SARS以降、ポートフォリオとしての東南アジアも少し見直されてきた感じがする。
最近の傾向としてタイ、ベトナムなどが見直されてきているようである。
中国について言うと、天安門事件の直後に中国の専門家である先生に、お話をうかがった事がある。その時は、各企業が中国からの撤退を考えていた。先生は、中国は歴史的に見ても、振り子の針が揺れるように、政府の方針が大きく変わると説明しておられた。その通り、今では文字通りの中国ブームになっている。従って、次に来るのは外資に対する何かであろう。
私はとても中国に向く勇気はない。それが、比較的穏やかな東南アジアにいるゆえんである。
厳しいビジネス環境
黙っていても利益が出る時代から、利益を出さなければならない時代に変わった。東南アジアは、工業化が先行した分だけ厳しい状況にある。
現時点においては、賃金などの面で中国の方が有利な環境にあり、何もしなければ中国に軍配が上がってしまう。しかし、我々は現在マレーシアにいるのであって、中国にいるわけではない。
色々と厳しい状況にあっても、その中で、会社として利益を出し、存続していかなければならない。現地会社の倒産は現地スタッフの職を奪うばかりではなく、日本人も帰国後の仕事は保証されないと思わなければならない時代である。
でも灯りはある
厳しい時代ではあるが、全く利益が出ないのかというとそうでもないようである。私のコンサルタントとしての経験から言うとやりようはあるようである。ただ、黙って手をこまねいていたのでは何もできない。腹をくくり、覚悟をして必死で取り組めば、何とかなりそうである。このへんのノウハウのようなものを伝えられればと思い、記事を書かせて頂くことにした。
この記事の全てとは言わないが、ほんの少しでも貴社のお役に立てばと願う次第である。
(本シリーズは隔週で掲載します)