2003/07/22
第80回 可宝得環保技術(深セン)、中国に『安心で良質な水』を
今や中国の生活における必需品となった、飲水器設置型の飲料水。家庭やオフィスでの需要が増えるにつれ市場も拡大を続け、最近では価格だけでなく水の味や成分、品質にこだわる消費者も増えつつある。可宝得環保技術(深セン)はそんな中、製品の品質の高さと独自性で消費者から歓迎をされているメーカーの一つだ。
■水へのこだわり 同社の工場内では、原水が沈殿、ろ過、オゾン殺菌、蘇生処理などの各種工程を経て、次々とボトルに詰められていく。万全を期すため、タンク詰めの工程は全て加圧された空調・無菌室の中で行われる。また再利用されるタンクは9回にわたって洗浄が行われており、雑菌や異物を徹底して排除するシステムとなっている。 広東省では先日行われた抜き取り検査で、市場で販売されている飲料水の不合格率が40%近くに達するなど、粗悪な水が出回っていることも問題となっているが、久保田董事長は「あってはならないこと」とメーカー側の自覚を促す。「企業のためではなく、消費者のために良質なものを提供することがものづくりの基本であり、また神髄でもある」。水業界の今後については「市場の信頼に応えられる質のいい水だけが残る。飲料水市場でもこれからは淘汰が進むでしょう」と語っている。 ■目標は全国展開 現在は深Aを拠点にネットワークを展開している同社だが、このところ東莞地域からの受注増加を踏まえ、将来的には全国展開も考えているという。「近い将来、現在の中国人スタッフが経営者となって独り立ちしてくれるのが目標」という久保田董事長。スタッフへの指示はアドバイス程度にとどめ、自立を促すための教育に力を入れているという。「中国で商売をする以上、企業の利益に加え地元の利益を考えることが大切。現地のスタッフとともに成長していくこと、これもまた異国でものづくりを進めるうえでの基本です」と語ってくれた。 |