NNAカンパサール

アジア経済を視る October, 2018, No.45

アリババのアジア戦略

時代の風雲児、馬雲(ジャック・マー)率いる電子商取引(EC)の中国最大手、阿里巴巴集団(アリババグループ)が、世界各地で猛攻を続けている。一連の動きを伝えた最新記事を、ニュース配信サービス「NNA POWER ASIA」の中からピックアップ。

越境送金サービスを発表するマー会長。アリババ創業20周年の節目の日となる来年9月10日に会長職を退任することが明らかになった(NNA撮影)


アリババグループがインドの小売り大手と連携模索NNA POWER ASIA 2018年8月20日付

インド

アリババグループ(浙江省杭州市)が、小売り部門を傘下に持つインドの複合企業(コングロマリット)との協議に再び乗り出している。自社で描くオムニチャネル戦略を前に進める目的。消息筋の話として、タイムズ・オブ・インディア(電子版)が伝えた。協議の相手には、リライアンス・インダストリーズとタタ・グループ、フューチャー・リテールの3社の名前が挙がった。ただ、協議は予備段階にとどまっているもようで、同筋は「前進しない可能性もある」と述べている。アリババは合弁事業の立ち上げや、出資を通じた戦略提携の可能性を探っているという。


支付宝(アリペイ)HKがフィリピン送金サービスを開始NNA POWER ASIA 2018年6月27日付

フィリピン

アリババグループ系の電子決済サービス「支付宝(アリペイ)HK」を運営するアリペイ・ペイメント・サービスHK(APSHK)は6月25日、フィリピン同業のGキャッシュと共同で、香港とフィリピン間の越境送金サービスを始めたと発表した。リアルタイムでの振り込みが特徴で、在香港フィリピン人の利用を見込んでいる。アリペイHKのユーザーは同日からGキャッシュ利用者に送金できるようになった。サービスはブロックチェーン(分散型台帳技術)を活用し、取引に関わるAPSHKとGキャッシュ、銀行が同時に手続きを進める仕組みを採用。越境送金の速度を速め、コストを引き下げたという。


ジャック・マー会長、インドネシアにECの研究施設開設へNNA POWER ASIA 2018年9月4日付

インドネシア

アリババグループの馬雲(ジャック・マー)会長が、インドネシアでEC業務に携わる人材の育成に向けた研究施設の設立を検討していることが分かった。首都ジャカルタで9月1日に行われた、マー会長とジョコ・ウィドド大統領との会談に同席したルディアンタラ通信情報相が明らかにした。テンポ(電子版)などによると、ルディアンタラ氏は「研究施設でインドネシアの国内外で働くEC人材を育成する」と説明。詳細は3日に実施する省内の実行委員会で検討すると付け加えた。


AI活用の衣料品店を香港に年内設置へNNA POWER ASIA 2018年7月6日付

香港

アリババグループは7月4日、AI(人工知能)を活用した衣料品販売のコンセプト店を今年末に香港に開設すると発表した。米カジュアル衣料大手のGUESS(ゲス)と提携し、AIを使って、服のコーディネートなどを提案する。香港経済日報が伝えた。アリババの研究チームが約7年をかけて開発したAI技術を実店舗で応用。ユーザーエクスペリエンス(UX)を高めるとともに、収集したデータを解析して予約販売や在庫管理の効率化につなげる。


アリババグループ、米スターバックスと戦略提携NNA POWER ASIA 2018年8月3日付

米国

アリババグループは8月2日、米コーヒーチェーン大手のスターバックスと、アリババが進めるオンラインとオフラインを一体化させた「ニューリテール(新しい小売り)」分野で協力することで戦略提携した。両社が手を携えて中国の消費者にこれまでにない体験を提供するとしている。出前サイト「餓了麼」、電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」、生活情報アプリ「口碑」、通販サイト「天猫(Tモール)」、「淘宝(タオバオ)」、ECとスーパーマーケットを融合させた小売店「盒馬鮮生」などアリババ傘下のさまざまなサービスが関わる全方位的な提携となる。

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