NNAカンパサール

アジア経済を視る December, 2017, No.35

[4〜6位]

NNAが日々伝えるアジアの経済ニュース。最近の記事から注目トピックをピックアップした。

中国人留学生を囲い込み、東京でジョブ博NNA POWER ASIA 2017年11月21日付

日本

日産トレーデイング中国現法の人事担当の韓さん(左)。昨年の「ジョブ博チャイナ」で同社への就職を決めた=11月18日、東京(NNA撮影)

人材サービス大手のパソナは11月18日、「ジョブ博チャイナ」を東京都内で開催した。日本に居住する中国人留学生(既卒者含む)を中国または日本などで採用する23社が出展し、来場者は約980人に達した。中国の経済水準向上に伴い、現地採用を望む中国人留学生が増えているほか、人材難を背景に日本で新卒者を囲い込もうとする進出企業の思惑が一致し、会場は熱気に包まれていた。

「親元から離れたくないし、いずれ帰国するなら早めに中国で採用される方が良いと考えました。中国の経済水準や競争力も高まっていますし」。こう話すのは、日産トレーデイングの現地法人、広州日産通商貿易の人事担当の韓さん。北海道大学の大学院を今春卒業し、同社に入社した。

韓さんはちょうど1年前、就職活動をしていたが、短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」でジョブ博チャイナが開催されるのを知り上京、内定を得た。

日本語を勉強したことを無駄にしたくないため、日系企業以外の就職は考えなかったという。1年前とは逆の採用する立場となった韓さん。新人フォローをしっかり行い、従業員を大事にする社風を後輩達に伝えたいと張り切る。

香港―ASEAN貿易拡大へ
伸び2倍の見方、FTA締結NNA POWER ASIA 2017年11月14日付

香港

香港とASEANは11月12日、FTAに調印した。写真はASEAN首脳会議に参加した各国の首脳(Thong Nhat/VNA=NNA)

香港と東南アジア諸国連合(ASEAN)が11月12日、自由貿易協定(FTA)と関連の投資協定に調印したことを受け、香港の財界では歓迎する声が相次いでいる。関税の減免や市場参入規制の緩和に伴い、香港企業の競争力と商機が高まるとの見方だ。香港―ASEAN間の貿易額の伸びが現在から2倍になるとの指摘もある。

香港経済日報など13日付香港各紙が伝えた。香港の有力経済団体、香港中華廠商聯合会(CMA)の李秀恒(エディー・リー)会長は、FTAに各地での税優遇や出資比率規制の緩和が盛り込まれたことを歓迎し、「香港企業にとって魅力的な内容で、製造業に有利となる。ASEAN各国での加工生産の発展を促すだろう」と述べた。小売業の進出にもつながるとみており、ASEANの中で最も人口の多いインドネシアが有望な市場だと指摘した。

李会長は、FTA締結に伴い双方間の取引が活発化するとして、FTA発効後の双方間貿易額の伸び幅が現在の年平均3.4%増から6~7%増に拡大すると予測した。

電力の安定供給、強く要望
日本工商会、政府に白書提出NNA POWER ASIA 2017年11月6日付

台湾

国発会の陳主任委員(左)に白書を提出する、台北市日本工商会の八木理事長=11月3日、台北(NNA撮影)

台北市日本工商会は11月3日、台湾政府への提言や日系企業による業務上の要望などを盛り込んだ2017年版「対台湾政府政策建言(台湾政府の政策に対する提言と要望)」を国家発展委員会(国発会)トップの陳美伶・主任委員に提出した。9回目となる今年は、台湾域内産業の振興に向けた喫緊の課題として、エネルギー政策の具体化が必要だと強く主張した。

白書の作成と提出は、台湾に進出している日系企業が業務や生活上の問題点などを具体的に取りまとめ、台湾政府に対して指摘し、改善を促していくのが目的。政策提言は、今年から新たに「労動基準法(労基法)」についての項目を追加し、大きく9項目にまとめた。個別の要望事項は44件で、このうち2016年からの継続要望案件は29件だった。

台北市日本工商会が16年に提出した政策提言について、具体的な進展があった項目は、17年5月末時点で9項目に上った。全体に占める比率は20%で、前年(18%)に比べ2ポイント上昇した。

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